本当にこのままで良いのだろうか?

これから自国開催のオリンピックという、誇らしき大役を任されるU-23サッカー日本代表が、あまりにも深刻な不振に喘いでいます。

もはや本大会での躍進を期待するサポーターはほとんどおらず、JFAの田嶋幸三会長や森保一監督の責任を追及する声まであがっています。

なぜ、このような悲惨な状況に陥ってしまったのか?

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いくつかの問題点が明らかになりつつあります。

しかし、残念なのはすでにU-23サッカー日本代表にこの状況を修正する時間がほとんど残されていないのです。

今回はU-23サッカー日本代表が弱い理由についてお伝えします。

自国開催で金メダル!誰もがそう期待していたのに・・・

東京オリンピックイヤーが幕を開けた。

各スポーツの代表チームは自国開催のオリンピックという、アスリート人生において滅多に経験することができない誇り高き大役を務め上げるために着々と準備を進めています。

そんな中、完全に出遅れているのがU-23サッカー日本代表です。

彼らが置かれている状況は非常に深刻で、もはや熱心なサポーターでさえも、本大会での躍進を期待する人間はいなくなりつつあるのです。

自国開催のオリンピックで金メダル

大きな目標を掲げ、選手もファンもその偉業に向けて大きな期待を抱いてきましたが、恐らくその夢が実現することはないでしょう。

それどころではありません。

もしかしたら、今のU-23サッカー日本代表は屈辱的な敗北にまみれる可能性すらあるといえるでしょう。

なぜ、今のU-23サッカー日本代表は弱いのか、そしてなぜこのような状況に陥ってしまったのでしょうか?

U-23サッカー日本代表が弱い理由

U-23サッカー日本代表がここまで弱い理由は、わざわざ説明するまでもなくJFAの責任によるところが大きいといえます。

JFAが犯してしまった過ちをあげていけばキリがありませんが、最も大きなそれはやはり海外でプレーする選手達をほとんど招集することができない状態で東京オリンピック開幕を迎えようとしているところ。

久保建英(マジョルカ)

阿部裕葵(バルセロナB)

堂安律(PSV)

冨安建洋(ボローニャ)

板倉滉(フローニンヘン)

つまり、交渉力の欠如ということです。

その交渉力の欠如が様々な問題を引き起こして、どこから手をつけていけばわからないカオス的な状況になってしまっています。

それでは、JFAによる交渉力の欠如は具体的にどのような悪影響を及ばしたのでしょうか?

JFAの交渉力の欠如がU-23サッカー日本代表に及ばした問題その①組織力とタレントの欠如

海外クラブでプレーする主力選手を召集できなかった穴は、主に国内でプレーする選手が埋めました。

しかし、海外組と国内組の実力差は大きく、またいたずらにテストを繰り返すだけで、組織の成熟が一向に進みませんでした。

その問題点が一気に顕在化したのが、U-23アジア選手権です。

この大会は、東京オリンピックのアジア予選も兼ねており、U-23サッカー日本代表は開催国ということで既に本戦の出場権を手に入れていましたが、中2日というスケジュールに温暖多湿という環境はプレオリンピックとして最適なテストの場でした。

なによりも優勝を狙うチームが世界レベルに対して劣るアジアで勝てないとなると、本戦での好結果は望むことができません。

しかしご存知のようにU-23サッカー日本代表はこの大会で1勝もあげることができず、グループリーグ敗退の憂き目に遭っています。

組織の不備が致命的なミスを誘った

アジア勢はテクニックで勝るU-23サッカー日本代表に対しては、完全に引いてロングカウンターを狙ってくるというのは予想するまでもなくわかっていたことですが、森保一監督はどのように攻めるのか攻撃の選択肢を植え付け浸透させることができませんでした。

その結果、最終ラインとボランチの選手が攻撃を前に進めることができず、ひたすら単調なパス交換を繰り返すだけでした。

初戦のサウジアラビア戦では、ほとんどプレッシャーのないバックパスの処理をミスして、相手にボールを奪われ、PKを献上するという最悪の事態を招いています。

あるいはこのチームに中盤に下がってきて、組み立てから崩しのフェーズに攻撃を移行させることができる久保建英がいたら・・・

単独での局面打開が期待できる堂安律や阿部裕葵がいたら・・・

安定したテクニックに20歳とは思えない落ち着きと経験を兼ね備えた冨安建洋がいたら・・・

いない選手のことを挙げてもキリがないけれど、組織の成熟を図る充分な機会が与えられなかった森保一監督はある意味では被害者だといえるのです。

ただし、彼にまったく責任がないとは言えません。

海外組の不在を想定して、セカンドチョイスとなる国内組中心のチーム作りを怠った彼にも大きな問題があります。

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JFAの交渉力の欠如がU-23サッカー日本代表に及ばした問題その②いたずらな試験的召集

これがU-23サッカー日本代表が弱いと言われるもう一つの理由です。

2018年7月に発足したU-23とA代表の、森保一による兼任政権。

JFAは2020年の東京オリンピックと2022年のカタールワールドカップという二つ大会を、森保一監督に託すことにしました。

森保政権が発足してから、コパ・アメリカ、東アジア選手権(共に2019年)などの公式戦に加えて、国際親善試合が行われてきました。

多くの試合で抱いた疑念が「何を目標とするチームなのか」という点。

つまり、召集されたメンバーが東京オリンピックを目指すチームなのか、それともワールドカップ予選を戦うメンバーなのかが全くはっきりしなかったのです。

最も顕著な例が2019年のコパ・アメリカです。

上田絢世、前田大然、久保建英ら東京オリンピックの主力メンバーを召集しておきながら、完全にピークを過ぎていた川島永嗣らベテランも招集。

召集される度にA代表ともU-23ともつかない混合チームが編成され、特に2019年6月から7月にかけて長期的に行われたキャンプでは、二つのチームを召集するという不可解な運営で貴重な代表チームの活動期間を自らドブに捨てました。

これではU-23サッカー日本代表の弱体化は当たり前です。

召集される度に築いてきた連携をリセットされ、ともすれば同じチームでプレーする可能性が低いA代表のメンバーとU-23のメンバーが同じ時間を過ごすという無駄が生じていたのです。

選手達からは悲痛な声が上がっています。

活動ごとに一からの積み上げになりかけている部分があった。選手たちの中でも積み上げていかないといけないものはある

当然前者はオリンピックの最終予選が始まる2020年秋に照準を合わせたトレーニングを行うし、後者は東京オリンピックが開幕する2020年7月に向けて段階的なチーム作りを行っていかなければなりません。

森保一の指導力やリーダーシップにも限界が伺えます。

選手が苦しんでいる時、彼は何をしていたのか?

監督としての森保一は、感情をあまり表に出すことがないタイプの指揮官です。

それは監督としての彼の個性でもありますが、一方で選手達は身を賭してピッチ上で戦っていることを理解しなければなりません。

サッカーは単なる盤上のゲームではないのです。

顕著な例は2019年に行われた東アジア選手権の中国戦。

この試合で橋岡大樹が中国のジャン・ジーポンからスパイクの裏で頭部にキックを見舞われました。

明らかにボールを頭で処理しようとした杉岡の後にジャン・ジーポンの足が出ており、当たり所が悪ければ重傷を負ってもおかしくない非常に危険なプレーでした。

しかし、そのプレーに対してはイエローカードしか提示されませんでした。

驚きだったのは、そのプレーに対して森保一監督が一切の抗議をせずに、ピッチサイドで笑みを浮かべていたことです。

イエローカードというジャッジに理解できないという意味が込められていたのでしょうが、すぐ横にいる第四審判に確認を求めることすらしませんでした。

指揮官がそんな弱腰の態度では、ピッチに立っている選手達の心を掴むことはできません。

もう一つは先のU-23アジア選手権での一幕です。

1月15日のカタール戦、MF田中碧は極めて正当なタックルで相手からボールを奪回しました。

しかし、中東の笛としか思えない不可解なジャッジにより、田中にはレッドカードが提示されました。

田中のタックルはレッドカードどころかファールですらない正当なものでしたが、いまやAFCでもFIFAでも絶大な影響力をもつ石油産出国の不思議な力によって田中はピッチから退けられたのです。

このときも、森保一はピッチサイドでメモを取っているだけで、抗議に行く素振りさえ見せませんでした。

逆風に苦しむ森保政権の中で数少ない好材料だったMF相馬勇紀は、こう語っています。

やっぱり得点のあとにああやって泣いて地面にうずくまって喜ぶ選手がいたり、僕らも全力で戦うというのは話しましたけど、そこは本当に賭けているものが違うなというのは身に沁みました

そう、森保一監督はこのチームにファイティングスピリットを注入できていなかったのです。

だから相手との競り合いで終始劣勢に立たされていたし、プレー一つひとつの強度が相手チームとの比較で明らかに弱かったといえます。

例えばヴァヒド・ハリルホジッチ前々サッカー日本代表監督であれば、緩慢なプレーを見せた選手は容赦なくベンチに下げられたが、選手の自主性を重んじる森保一はそれを黙認する。

それが正しいのか誤っているのかは選手のリアクション次第ですが、今のところそれは良くない方向へと向かっていると言えます。

海外組を召集できないことで劣化した選手の質、森保一監督の指導力不足のどちらもがU-23サッカー日本代表が弱いと揶揄される理由です。

いかにして史上最悪の危機を脱するのか?

東京オリンピックまでに残された時間は残り半年強となりました。

ライバル国が着々と準備を進める中で、U-23サッカー日本代表は全く整備が進んでいません。

もう打てる手はほとんど残っていませんが、森保一監督の解任は荒治療として有力な手段となるでしょう。

後任候補として具体的な名前はほとんど挙がっていませんが、数少ない候補の一人なのが、ジーコの招聘です。

鹿島アントラーズの重役に就いていることもあり、招聘できる可能性は限りなく低いですが、いまだサッカー界における影響力は大きく、弱腰の渉外担当との比較で主力メンバーの貸し出しにも一役買ってくれそうではある。

一方で不安視されるのは、戦術的なつたなさです。

2006年のドイツワールドカップでの失態が物語るように、単純にタレントを並べたがる傾向があるのが監督としてのジーコの限界。

ただし、現時点でも戦術らしい戦術は浸透しておらず、この際約束事を最小限にとどめたソリッドなチーム作りをするのが最適解となるのではないでしょうか?

「臨機応変」

「勝負勘」

「自主性」

聞こえは良いが具体性と発展性が見えない森保一の言葉よりも、今のチームにとってはよっぽど効果的なように思えるのです。

保守的なJFAが御しやすい森保一を解任するとは到底思えませんが、タイムリミットはすぐそこまで来ています。

今回はU-23サッカー日本代表が弱い理由についてお伝えしました。

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