有能な若いタレントが次々と輩出され、2018年のロシアワールドカップでは、優勝候補の一つとも評価されているフランス代表。
フランス代表のディディエ・デシャン監督はある悩みを抱えています。
それは…
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両手に余るほどのスター選手達、つまり人的資源を最大限に引き出すベストなフォーメーション何なのか?
という悩みです。
今回はロシアワールドカップ優勝候補のひとつ、フランス代表のフォーメーションいついてお伝えしましょう。
フランス代表がオランダ、スウェーデンを封じ込めてワールドカップへ!
2017年9月世界中で、ロシアワールドカップの予選が行われました。
世界各国でワールドカップ出場を決めたチームが続々と誕生する中で、フランス代表もベラルーシを下し、この最終節での勝利をもってしてロシア行きのチケットを手に入れました。
スウェーデン、オランダという強豪を下してのワールドカップ出場権獲得です。
このワールドカップ予選では、スウェーデンに敗戦し格下ルクセンブルクにも引き分けるなど躓きも見せたフランス代表。
しかし、何とか本大会までたどり着きました。
そして、現在のフランス代表は6ヵ月後に迫った本大会に向けて優勝を狙えるチーム作りに取り組んでいます。
デシャン監督がフランス代表監督に就任して、すでに5年が経過。
恐らくこのロシアワールドカップがデシャン政権の集大成となるでしょう。
なぜなら…
現在のフランス代表には珠玉のタレントが全ポジションに揃う、史上最強の陣容が整っているからです。
しかし、デシャン監督はある悩みを抱えています。
それは…
フランス代表・デシャン監督が抱える深刻な悩みとは!?
有り余るタレントを最大限に活用しうるベストなフォーメーションは何なのか!?
という悩みです。
残念ながら、ロシアワールドカップの本大会には23人のメンバーしか連れて行くことはできません。
その限られた人数の中でベストの23人を、デシャン監督は残りの6ヶ月で選定しなければならないのです。
ワールドカップ予選を戦った35人ほどが軸になるのは間違いないでしょう。
2012年のフランス代表監督に就任して以降、デシャン監督はほとんど軸となるメンバーをいじらずに戦ってきました。
その軸となるメンバーが彼らです…
彼らがフランス代表の大黒柱!
デシャン監督が厚い信頼を置いてきたのがこの7人です。
GK:ユーゴ・ロリス(トッテナム)
DF:ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)
DF:ローラン・コシエルニー(アーセナル)
MF:ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)
MF:ブレーズ・マテュイディ(ユベントス)
FW:オリビエ・ジルー(アーセナル)
FW:アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)
この7人はここ2年以上デシャン監督が信頼を置いてきたメンバーで、怪我などがない限りは彼らを招集し続けてきました。
特に2014年のブラジルワールドカップ終了後は彼らを中心とチームに肉付けしていく形で強化が図られてきました。
そして、ワールドカップ予選から推察するに、デシャン監督は彼らに次いでこの8人をワールドカップに連れて行くと決めているでしょう。
GK:スティーブ・マンダンダ(マルセイユ)
DF:サミュエル・ウンティティ(バルセロナ)
DF:ジブリル・シティベ(モナコ)
DF:レーバン・クルザワ(パリ・サンジェルマン)
MF:エンゴロ・カンテ(チェルシー)
MF:アドリアン・ラビオ(パリ・サンジェルマン)
MF:トマ・ルマール(モナコ)
FW:キリアン・エムバッペ(パリ・サンジェルマン)
つまりフランス代表のロシアワールドカップメンバーの内、15人ほどは確定的となっています。
デシャン監督は残りの8枠を誰にあてるかで、大きな悩みを抱えているのです…
なぜならその8人次第でフランス代表の戦い方、つまりフォーメーションが決まってくるからです。
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豪華絢爛のメンバーの能力を最大限に引き出すフォーメーションの最適解はとは何か!?
デシャン監督は就任以来、一貫して4-3-3のフォーメーションを採用してきました。
4-3-3のフォーメーションを採用した理由として、センターフォワードの頭数がやや不足していたこと、そしてセンターハーフにタレントが充実していたことなどが挙げられます。
センターフォワードの枠が一つしかなく、多くのMFを送り出せる4-3-3のフォーメーションが、当時のフランス代表にとってベストなフォーメーションだと判断したのです。
そして、その4-3-3が未だにフランス代表にとって有力なフォーメーションだという考えを、未だにデシャン監督は捨てていないでしょう。
しかし、現在のフランス代表は4-3-3とは異なるフォーメーションで戦っています。
フランス代表ベストフォーメーション候補①4-4-2
デシャン監督が4-4-2のフォーメーションの採用を決断したのは、2016年に行われた祖国開催のユーロ2016で、です。
大会開幕当初は慣れ親しんできた4-3-3のフォーメーションを採用してきましたが、途中でフォーメーション変更を決断しました。
それが、4-4-2のフォーメーションだったのです。
このフォーメーション変更によって、それまで3トップの右で起用されてきたアントワーヌ・グリーズマンが覚醒。
よりゴールの近くでプレーすることが可能になったこと、そして阿吽の呼吸を見せるオリビエ・ジルーとの距離が狭まったことにより、持ち前のゴールセンスを発揮できるようになりました。
特に準決勝・ドイツ戦では世界王者を沈める2ゴールを決めています。
世界王者をも蹂躙する4-4-2のフォーメーションがベストではないのか?
そう考える人も多いかもしれません。
しかし、一方でこの4-4-2のフォーメーションには負の側面もありました。
4-4-2のフォーメーションが抱える負の側面とは?
それは4-4-2のフォーメーションを採用してから、3センターハーフの左を務めてきたポール・ポグバの攻撃面における存在感が急激に低下したことです。
4-3-3のフォーメーションの3MFの左で主にプレーしていたポグバは、中盤の守備を残りの二人に任せてオフェンシブに振舞っていました。
しかし、4-4-2のフォーメーションが採用されると、主にブレーズ・マテュイディかエンゴロ・カンテのどちらかと2センターハーフの一角でコンビを組むことになりました。
それに伴い守備の負担が増えたこと、そして最も持ち味が発揮できるゴール前から遠ざかってしまったこともあり、存在感が減退してしまったのです。
結果的にポグバにとってのユーロ2016は尻すぼみの内容で終わってしまったのです。
つまり、4-4-2のフォーメーションのメリットとデメリットをまとめるとこうなるのです。
【メリット】
グリーズマンの得点力を高める。
【デメリット】
ポグバの存在感を削りかねない。
しかし、デシャン監督は大会終了後は再び4-3-3のフォーメーションに戻しての再出発となりました。
フランス代表ベストフォーメーション候補②4-3-3
ワールドカップ予選開始後にデシャン監督は再び4-3-3のフォーメーションを採用しました。
グリーズマンを右ウイングに置き、ポグバを3MFの左の本来のポジションにおいています。
グリーズマンは右のウイングに置くのはあくまで形式的なもので、フォーメーション上のホームポジションというだけです。
実質的にはナローに絞って、ジルーと縦の2トップを組むような形です。
しかし、予選中盤になるとマンチェスター・ユナイテッドに移籍したばかりのポグバに小さな怪我が頻発しはじめました。
また、カンテやラビオ、バガヨコ(モナコ)にも中盤のレギュラークラスとして使える目処が立ち始め、デシャン監督は再び4-4-2のフォーメーションに戻しています。
マンチェスター・ユナイテッドに移籍してからのポグバはユベントス時代の輝きを見せることができず、対するグリーズマンはアトレティコ・マドリードで充実一途。
デシャン監督が、グリーズマンとポグバのどちらがやりやすいフォーメーションを採用するかは明らかでした。
そして、予選終盤に差し掛かると、前述の通り4-4-2のフォーメーションにシフトして戦っています。
フランス代表のフォーメーション論争はひとまず、4-4-2の採用という形で決着を迎えた感があり、恐らくデシャン監督はロシアワールドカップの本大会でもこのフォーメーションで乗り込むことになるでしょう。
問題はポグバの処遇ということになります…
いかにしてフランス代表はポグバの潜在能力を引き出すか!?
フランス代表の中盤の軸ともいえるポグバの最大の持ち味は攻撃力。
両足から放たれるミドルシュートは正確かつ強烈で、かなりの高確率で枠を捉えます。
190cmを超える大柄な選手とは思えないほど足元のテクニックは繊細で、ドリブル突破も兼ね備えています。
空中戦にも強く、特にファーサイドに抜け出してプッシュする形を最も得意としています。
一方で一定の活躍を披露するには周りのサポートを必要するタイプであり、それが今回のフランス代表のフォーメーション論争に起因するものでした。
3センターハーフのフォーメーションの左を最も得意としており、それ以外のポジションではキャリアを通じてインパクトのあるプレーを見せたことがありません。
前述の通り4-4-2や4-2-3-1などのダブルボランチの一角でプレーするとゴールから距離が遠くなり、得点力を発揮できなくなるのです。
2017-2018シーズンのマンチェスター・ユナイテッドではチェルシーから新加入したネマニャ・マティッチとコンビを組み、4-2-3-1システムのダブルボランチの一角として上々のプレーを見せ始めていました。
守備力が高く、肉弾戦を得意とするマティッチの後方からのサポートを受けて、躊躇なく攻めあがれる環境が整ったのが大きかったのでしょう。
しかし、10月のリーグ戦でポグバは負傷し、2ヶ月ほどの離脱を強いられることが決定しています。
必然的に11月の代表戦ウィークの欠場も決定的となり、フランス代表はポグバ抜きで組織の熟成を図ることとなります。
フランス代表において、4-4-2のフォーメーションでも重要な存在になりうるのか証明する絶好の機会を逃した形です。
4-4-2のフォーメーションが採用されたとき、マンチェスター・ユナイテッドのようにポグバを後方からサポートするのは、やはり守備力が非常に高いカンテになるのでしょうか…?
しかし、当然グリーズマンを欠くなどの不足の事態に対する備えとして4-3-3のフォーメーションはデシャンの頭の中にあるはずです。
幸いにして、現在のフランス代表はタレントが非常にバラエティに富んでおり、ポグバとグリーズマンを除いては4-4-2にも4-3-3にも対応できる選手を数多く揃えています。
190cmを超える選手が珍しくなく、多くの選手が大柄であるが故に筋肉質なチームであると勘違いされがちですが、フォーメーション変更など戦術的な要請に応えられる選手が多いのが現在のフランス代表なのです。
ポグバとグリーズマンの共存の問題さえ解決すれば、フランス代表は確実なレベルアップを遂げることになります。
それが4-3-3になるか、それとも4-4-2になるか、なのです。
既にいくつかの解決策は見えているように見えます。
例えば左ウイングのトマ・ルマールは、相手にとって極めて危険なアタッカーですが、同時にチームの攻守の全体バランスも考えて振舞える非常にクレバーな選手で、2016-2017シーズンにモナコで台頭すると、タレントがひしめくフランス代表であっさりとレギュラーの座を確保しました。
ルマールが中央をサポートすることにより、ポグバは例えダブルボランチであっても攻撃的に振舞えるようになるでしょう。
そして、もう一人がバルセロナでも中心選手に飛躍したサミュエル・ウンティティです。
足元の技術が極めて高く、ボールを支配するサッカーへの適性があります。
そのため、チーム全体がラインを押し上げて戦うことが可能となり、コンパクトさを保つことが可能になります。
必然的にポグバがカバーするスペースが狭まり、少ない運動量で効果的な働きが可能になります。
最終ラインの背後に広大なスペース(リスク)を抱えることになりますが、コシエルニー、ヴァラン、ウンティティは共に脅威的なスピードの持ち主です。
この問題を乗り越えたとき、フランス代表はワールドカップ優勝候補の筆頭ともいえる存在になるでしょう。
そして、その時間は十分に残されているように見えます。
今回はフランス代表のフォーメーションについてお伝えしました。
そして、下のリンクではフランス代表の主要メンバーについてお伝えしています。
全ポジションに豪華なメンバーを取り揃えるフランス代表は、世界屈指の選手層を持つチームです。
現在のフランス代表というチームの序列や、ワールドカップへの秘密兵器となる存在を紹介しています。
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