ロシアワールドカップをベスト16という大きく期待を上回る成績で終えた日本代表。

西野朗監督が退任し、8月からは新たな監督の下で、4年後のカタール大会に向けてチーム作りを進めていくことになります。

その新しいチームの監督を任されるのが…

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森保一だと言われています。

森保一といえば、サンフレッチェ広島の監督としてチームをJリーグ優勝に導いたことで知られる戦術家です。

その森保一はどのような戦術で新生日本代表を作り上げるのでしょうか?

今回は森保一の戦術と、新たな日本代表への展望についてお伝えします。

誰もがグループリーグ敗退だと確信していた。でも大会が始まってみると…

フランスの優勝で幕を閉じたロシアワールドカップ。

日本代表は、このワールドカップで最も印象的なパフォーマンスを見せていたベルギーと接戦の末、ベスト16という成績に終わりました。

ワールドカップ開幕前、日本代表に期待する声は皆無でした。

有識者だけでなくサポーターですら日本代表がグループリーグを突破するとは考えもしなかったのです。

しかし、蓋を開けてみれば得意のパスサッカーでコロンビアから勝利を奪い取り、後に3位になるベルギーをあと一歩のところまで追い詰めたのです。

このワールドカップでわかったことは、守備的なカウンターサッカーよりもショートパスを基調としたサイドアタックこそが日本代表の基本戦術としてふさわしいということです。

ロシアワールドカップのチームを引き継いでパワーアップさせる、そのための人材も揃っているように思えます。

そして、その新しいチームの監督を務めると思われるのが森保一です…

いかなる戦術で森保一は史上最強のサンフレッチェ広島を作り上げたのか?

森保一の戦術を推し量る上で最も重要な指標となるのは、サンフレッチェ広島時代の戦術です。

森保一は2012年から2017年までサンフレッチェ広島の監督として指揮し、5シーズンで3度のJリーグ優勝を果たし、一時代を築き上げました。

このサンフレッチェ広島時代に採用していたフォーメーションは3-2-4-1。

このフォーメーションを軸に、シチュエーションに応じて配置を組み替える戦術がサンフレッチェ広島の特徴でした。

ウイングバックが最終ラインと同じ高さまで下がる5-4-1や、守備的ミッドフィルダーが最終ラインに吸収される4-5-1(4-1-4-1)など状況に応じてフォーメーションを変えていくのが、森保一式の戦術となっています。

サンフレッチェ時代にチームの軸として信頼を置いていたのが青山敏弘塩谷司(現アル・アイン)、森崎和幸です。

彼らは変化するシチュエーションに応じて細かくポジションを変えるという、極めて高度な戦術的な役割を森保一から与えられていました。

彼らのような異なる戦術、異なるフォーメーション、そして異なるタスクを器用にこなせるタイプをピッチに複数並べて、自身の戦術を深くチームに根付かせています。

このように森保一の戦術家としての特徴を挙げ連ねると、かなりシステマチックにチームを動かしたがる傾向があるように感じさせます。

あくまでそれは一面的で、あまり戦術的な動きが得意でない浅野拓磨(現ハノーファー)も、うまく組織の中に取り込みながら、その個性を生かしています。

そして、森保一が自身の標榜する戦術を実現するために最も重要視しているタイプがあります…

森保一が求める理想の選手とは?

それは、攻守に貢献度の高いサイドアタッカーです。

サンフレッチェ時代にはミキッチや柏好文をウイングバックとして重用しました。

タッチライン側を広くカバーするという消耗の激しいポジションだけに、常に代役をベンチに置き、チームにフレッシュネスを保とうとする傾向がありました。

また、上述したように浅野拓磨のようなサイドに開いた位置でも持ち味を発揮できるストライカーを多く起用するのも特徴でした。

これは佐藤寿人(現名古屋グランパスエイト)にも同じことが言えます。

時にはサイドバック+サイドハーフ+フォワードの3人を同じサイドに配置させてまでタッチライン際の数的有利にこだわったのは、中央よりもカウンターのリスクが少ないからです。

逆に、中央からのコンビネーションによる打開はあまり見せることがありませんでした。

森保一が好むタイプの選手を整理すると、以下の2つだと言うことができます。

  • 複数のポジションをこなせる戦術眼の高い選手
  • サイドに数的有利を作り出せるモビリティのある選手

サンフレッチェ広島での成功をベースに、日本代表でも比較的戦術的に近いチームを作るでしょう。

一方で戦術的な引き出しも多く、あまりポジション的な確固たる役割(センターフォワードは常にペナルティエリア内にいなければいけない、ゴールキーパーはペナルティエリアから飛び出してはいけない等)にも固執しないタイプなので、選手に応じたチーム作りを、日本代表でも進めていくことになるでしょう。

それでは、森保一は日本代表でどのようなチームを作るのでしょうか?

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これまでの日本代表監督が誰も果たせなかった戦術的進化を…

サンフレッチェ広島のような高度な戦術を代表チームでも根付かせるのは非常に難しいタスクです。

代表チームは練習時間も短く、選手のタイプにも制約を受けるからです。

だからこそ、まずはシンプルな戦術を採用して、徐々に森保一の戦術を色を出していくのが好ましいでしょう。

その戦術とはやはりサイドアタッカーを中心に繰り出すカウンターです。

原口元気や乾貴士、中島翔哉など現在の日本代表にはカウンターで力を発揮するサイドアタッカーを数多く擁しています。

守備面においては森保一がサンフレッチェ広島でも重用したブロック守備との相性が悪くなさそうです。

問題は長谷部誠が代表から引退するチームにおいては、誰が森保一の戦術を汲み取り、ピッチの上で体現するかに注目が集まっています。

森保一が重用する選手は誰か?

骨格となるのは、ロシアワールドカップを戦ったメンバーです。

ロシアワールドカップでの日本代表は非常に平均年齢が高いチームで、成長性という点において非常に乏しいチームでした。

それでも彼らの経験は捨てがたく、ベテランを軸に何人かの若手がミックスされたチーム作りが理想です。

それでは、森保一が日本代表で軸に据えるのは誰なのでしょうか?

森保一新監督率いる日本代表の主軸①吉田麻也

最終ラインは引き続き吉田麻也に統率させることになるでしょう。

間もなく30歳を迎えるベテランですが、絶対的な能力値では歴代の日本代表のセンターバックの中では頭一つ抜けた存在で、代役の確保がおいそれと成功しない可能性が高いからです。

身体能力よりもライン統率やパーソナリティ、リーダーシップの部分で求められる仕事が多くなり、森保一新監督のチームのキャプテンも任されそうです。

森保一新監督率いる日本代表の主軸②遠藤航

守備的ミッドフィルダー、センターバック、右サイドバックをこなせる遠藤航は森保一新監督のチームで戦術の鍵を握る選手になるかもしれません。

例えば4-3-3のアンカーの位置に入り、状況に応じて最終ラインまで降りてリベロの役割をこなすなど多様な役割が期待できます。

森保一にとっては青山敏弘や森崎和幸のような役割を任せることになるかもしれません。

海外移籍も決定し選手としてさらに大きく成長する必要性に迫られています。

森保一新監督率いる日本代表の主軸③酒井高徳

ロシアワールドカップ後に日本代表からの引退を表明した酒井高徳ですが、森保一が新監督に就任した場合、慰留に務める可能性が高まっています。

サイドバックとウイングバックの両方を、しかも左右問わずこなせる酒井高徳は、森保一にとって理想の人選です。

まだ27歳で翻意の可能性は十分にありそう。

森保一新監督率いる日本代表の主軸④柴崎岳

長短のパスで相手守備陣を崩すことができる柴崎岳は、ロシアワールドカップで自らの地位を絶対のものとした感があります。

守備面での貢献度も高く、選手として大きく成長した印象です。

ダブルボランチもしくはインサイドハーフに入って、日本代表の攻撃をオーガナイズする存在になるでしょう。

森保一の戦術の体現者としての期待もかかります。

森保一新監督率いる日本代表の主軸⑤原口元気

年齢的に斜陽の時を迎える可能性が高い乾貴士よりも期待値が高いのが原口元気

サイドアタッカーにハードワークを求める森保一の戦術にうってつけの人材で、ゴール前に飛び出す術も備えています。

ここ3年間の間に日本代表で最も安定した活躍を披露した一人で、ベルギーとの決勝トーナメント1回戦でも結果を残してきました。

森保一新監督率いる日本代表の主軸⑥浅野拓磨

海外移籍後に大きく躓き、ロシアワールドカップでもメンバー入りが叶わなかった浅野拓磨ですが、森保一が監督に就任することにより追い風が吹くかもしれません。

森保一の戦術を理解しており、ウイングともセカンドトップとも言える役割をこなすことになるでしょう。

これから台頭するであろうリオオリンピック組とも気心が知れているのも○。

2018-2019シーズンはブンデスリーガのハノーファーでプレーすることが決まっており、どの程度成長できたのかチェックする価値は高そうです。

森保一新政権で評価を落とすのは誰か?

逆に森保一が新監督に就任した場合、立場を悪くしそうな選手もいます。

それが香川真司です。

中央突破をあまり好まない森保一にとって、香川真司はやや使いづらい存在です。

中央での細かなパスワークからペナルティエリア内に侵入するのが十八番で、タッチライン際に迂回しようとする傾向が強い森保一の戦術にはやや適合性が低くなっています。

とはいえ柴崎岳らとの連動性が高いのはワールドカップで証明済みで、まもなく30歳の大台に突入しますが、代表引退の意向はないようです。

森保一の戦術の中で自らが輝くことができれば、レギュラークラスの座は確保できるかもしれません。

ロシアワールドカップ組では大島僚太も、日本代表内において序列を下げるかもしれません。

小柄で軽量級で生粋のパサーゆえ司令塔としては申し分ないですが、プレーの強度が低くとりわけ守備面での限界が伺えるからです。

このロシアワールドカップをもって日本代表から退く本田圭佑に関しては恐らく森保一の構想にすら入っていないでしょう。

勝負強さこそ見せましたが、プレーの精度が低く機動力にも限界があり、森保一の戦術の中では置き所が見つかりません。

未来の日本代表のエースとして、東京五輪の中心選手と期待される久保建英も現時点ではどのような立場を確保するのか読みづらくなっています。

セカンドトップか攻撃的ミッドフィルダーに適性があるのは間違いありませんが、森保一の戦術においてはサイドでのプレゼンス(存在感)に課題があるように感じるからです。

あるいはスペイン代表におけるダビド・シルバやバルセロナでのリオネル・メッシのように偽センターフォワードを任せてみるのも一つの方法かもしれません。

とはいえ、まずはU-23で実戦経験を積ませるのが賢明で、A代表でのお披露目はしばらく先になるでしょう。

FC東京での停滞感もあり、まずはオリンピックチームで自身の居場所を確保する必要があります。

森保一は東京オリンピックの監督も兼任するので、久保建英の成長はつぶさに追いかけていくはずです。

堂安律や中島翔哉、冨安建洋、鈴木優磨などワールドカップへの出場が叶わなかった若い選手たちの萌芽を確実に感じさせつつある日本代表。

森保一は彼らをどのように料理して日本代表を作り上げていくのでしょうか?

森保一新政権は7月26日に公式に発表される見通しです。

今回は森保一の戦術と日本代表の展望についてお伝えしました。

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