イングランド代表はロシアワールドカップで、どのようなフォーメーションで戦うのだろうか?
イングランド代表がワールドカップ予選を突破してからずっと議論されてきたテーマです。
間もなく開幕するロシアワールドカップにむけて…
ガレス・サウスゲイト監督は全てを決めたようです・・・
今回はイングランド代表の最新フォーメーションをお伝えします。
あなたはこの記事を読むことで、ロシアワールドカップでイングランド代表がどのように戦うか知ることができます。
誰もが苦戦すると思っていたのに・・・蓋を開けてみると・・・
イングランド代表が10月5日にワールドカップ予選のスロベニア戦に勝利しロシア行きのチケットを手に入れました。
1試合を残して悠々の予選突破です。
8勝2分0敗
これがイングランド代表のワールドカップ予選の成績です。
近年、弱体化が叫ばれていたイングランド代表ですが、終わってみれば一つも黒星を喫することなく危なげなくワールドカップ予選の突破を決めました。
何事もなくワールドカップ予選を突破したとはいえ、イングランド代表に対するワールドカップ本大会での展望はかなり厳しいと予想されています。
それは何故なのでしょうか・・・
なぜ、イングランド代表はワールドカップで敗戦すると予想されるのか?
イングランド代表が今回のロシアワールドカップで優勝する可能性はほぼ0に等しいと言えます。
その可能性はベルギーやコロンビアと言った伝統と経験でイングランド代表を下回る国々にすら劣ると言っても決してオーバーではありません。
なぜ、イングランド代表の評価はここまで低いのでしょうか?
その答がこちらです・・・
“どんなサッカーがしたいのかはっきりしない”
この一言につきます。
そう、サウスゲイト監督は就任から4年近くが経ち、ワールドカップ本大会を2ヵ月後に控えた現時点でも、どのようなフォーメーションで戦うのか、どのようなスタイルを目指すのかすらはっきりできていないのです。
“伝統の4バックのフォーメーションで戦うのか?”
“それとも、3バックのフォーメーションで挑むのか?”
“中盤で細かくつなぐパスサッカーをするのか?”
“カウンターサッカーで泥臭く戦うのか?”
しかし、3月の親善試合でぼんやりと輪郭が見え始めました。
少なくともフォーメーションだけは固まりつつあるようです…
【最新フォーメーション】これがワールドカップを戦うイングランド代表だ!
3月のイタリアとの親善試合で採用された最新のフォーメーションが、3-4-3です。
このフォーメーションは2017年11月のドイツとの親善試合でも試されたシステムです。
ドイツ、イタリア、ブラジルという強豪との戦いにこのフォーメーションが用いられたことから、恐らくワールドカップ本大会でもこのフォーメーションで戦うと決意したと言われています。
これまでほとんどの大会で4バックのフォーメーションで戦ってきたイングランド代表にとっては、まさしく最新のスタイルということになります。
3人のセンターバックの前に、2人の守備的MFを配置。

そして、その両脇にウイングバックを置いて、サイド全域をカバーさせます。
前線は2枚の攻撃的MFが1トップを支えるトライアングルを形成します。
イングランド代表としてはほとんど採用された機会がない、まさしく“最新”のフォーメーションですが、プレミアリーグではここ数年はやりつつあったフォーメーションで、選手によっては適応が難しくありません。
それでは、イングランド代表はこの最新のフォーメーションでどのようなサッカーを見せようとしているのでしょうか・・・?
イングランド代表最新フォーメーションの強み!ディフェンス編
イングランド代表最新フォーメーションの強みは肉弾戦の強さを生かしたブロック守備です。
最終ラインを高い位置に設定せず、後方に留まらせながら守備ブロックを形成します。
元来、大柄で体格の良い選手が多いだけにとりわけクロスやロングボールの競り合いに対して強さを発揮します。
4バックのフォーメーションに対してセンターバックの頭数が増える3バックのフォーメーションを採用したことで、その強さはさらに増強された印象です。
それは、本気モードではなかったとはいえ、攻撃面に強みがあるドイツやブラジルと引き分けたことからも一定のレベルにあることが証明されています。
ダブルボランチにジョーダン・へンダーソン(リバプール)、エリック・ダイアー(トッテナム)を起用しているようにポゼッションにはさほどこだわらないことをサウスゲイト監督は決断したようです。
この二人はパスワークも決して質が低くありませんが、純粋な司令塔ではなく激しい守備に持ち味があるタイプです。
最終ラインとの連携で確実にボールを奪い、間髪いれずに前線にボールを供給するという役割を担っています。
ブラジル戦ではポゼッションを放棄したこのカウンタースタイルが機能し、いくつか危険なシーンを作り出しています。
イングランド代表最新フォーメーションの強み!オフェンス編
そして、後方から送られてくる速いボールに反応するのがセンターフォワードを務めるハリー・ケインです。
ボールを収めてよし、サイドに流れてよし、ゴールを奪って良しの三拍子が揃うケインはチームのカウンタースタイルにも適合します。
また、ケインのラストパスに反応したり、彼のスペースメイクに呼応するデル・アリもこの類のプレーは得意分野です。
何よりもこの二人はトッテナムで長く共にプレーしており、阿吽の呼吸を築いています。
控えのジャイミー・ヴァーディーもカウンタースタイルは大得意で、少なくともイングランド代表のメンバーにはこのスタイル・フォーメーションへの適性が高いメンバーが揃っているのです。
“ボールを奪って素早く前線に展開する”
イングランド代表はこのシンプルなスタイルでワールドカップを戦うようです・・・
ここまで聞くと、イングランド代表の最新のフォーメーションは一定の機能性を持ち、かなり強いのではないかと感じる人も多いかもしれません。
しかし、残念ながら現在のイングランド代表には同じ位問題も山積しているのです・・・
イングランド代表最新フォーメーションの弱み!ディフェンス編
イングランド代表の最新フォーメーションで並び立つ3人のセンターバックは、主にガリー・ケイヒル(チェルシー)、ジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)、フィル・ジョーンズ(マンチェスター・ユナイテッド)で形成されます。
彼らに問わずイングランド伝統の「強くて大きい」センターバックには一貫した弱点があります。
それは
“パスワークに滅法弱い”
ということです。
例えばスペインやアルゼンチンのような細かなパスワークによる崩しを中心とするチームに対峙したとき、イングランド代表の守備陣がそれに対応する姿は想像がつきません。
また、それぞれが異なるクラブの異なるスタイルでプレーしているだけに、マークの受け渡しやラインの整備がチグハグなのです。
問題はゴールマウスにもあります。
ゴールキーパーのジョー・ハートは、所属するウエストハムで失点の山を築き、ついにレギュラーから陥落。
そう、イングランド代表の守護神はほとんど試合勘を欠いたままワールドカップ本大会に臨まなければならないのです。
サウスゲイト監督がジョーダン・ピックフォード(エバートン)、トム・ヒートン(バーンリー)、ジャック・バトランド(ストーク)の試合に足しげく視察に行くのは、ハートに絶対の信頼を置けなくなってきているからだと言われています。
個人的にはピックフォードにゴールマウスを託すべきだと感じますが・・・
そんな、イングランド代表の弱点を突こうと、ライバル達が早々に対策を練っているのも気がかりです・・・
いかにして、ライバル達はイングランド代表を攻略するのか?
パスワークに対するディフェンスに難があるイングランド代表を攻略する手段を整えているのが・・・
ベルギーです。
イングランド代表とはグループステージで同居するベルギー。
彼らはイングランド代表と同じく3-4-3のフォーメーションを基本システムをしています。
最新の試合では、これまでトップ下として起用してきたケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)をボランチの位置にまで下げて、中盤の構成力を高めています。
その代わりにナポリで0トップというパススタイルにお誂え向きの選手を選手を起用することでパスワークをさらに高めています。
イングランド代表の守備陣がベルギーの攻撃陣を封じ込めることができるのか・・・
これは間違いなくこのグループG最大の見所であると同時に、このグループでどちらが首位通過するのかを左右するポイントにもなります。
イングランド代表最新フォーメーションの弱み!オフェンス編
はっきり言って、イングランドの前線は豪華です。
ケイン、アリ、ヴァーディーに加えてストライカーカラーの強いラッシュフォード、ドリブル突破力に秀でたウインガーのスターリング、ダイアゴナルランと飛び出しに特徴があるララーナと、持ち味の異なる選手を揃えており、守る側にとっては的が絞りづらいといえます。
イングランド代表の攻撃陣に弱みがあるとしたら、崩しからフィニッシュへと向かう前の段階。
つまり組み立ての局面にあります。
上述したようにヘンダーソンとダイアーは守備力に持ち味がある反面、組み立ての技術は平均的なレベルに留まります。
そのため、ダブルボランチから良質なボールが前線に供給されず、攻撃にスムーズさを欠いてしまうことがあります。
例えば、相手チームがボール保持することに対するこだわりを捨てて、徹頭徹尾カウンターにこだわるなら、イングランド代表はこの相手に苦しむ可能性があります。
そして、グループリーグで同居するチュニジアやパナマは間違いなくそのような策をとってくる可能性があります。
もし、彼らから勝ち点を取りこぼすようなことがあった場合、グループリーグ突破に向けて暗雲が立ち込めてきます・・・
サウスゲイト監督が怪我の多いジャック・ウィルシェア(アーセナル)を未だにメンバー構想の中に含めているのは、この司令塔がイングランド代表の最新フォーメーションの攻撃面における課題を解決してくれる可能性があるからです。
最大の焦点は、相手に合わせた柔軟な対応が求められるシチュエーションでサウスゲイト監督が正しい采配を執れるか、ということにあります。
決して経験豊富な指揮官ではなく、指導力や戦術的な素養にも、現時点では限界が伺えます。
さて、イングランド代表はロシアワールドカップでどのような戦いを見せてくれるのでしょうか・・・?
今回はイングランド代表の最新フォーメーションについてお伝えしました。
そして、下のリンクではイングランド代表の主要メンバーについてお伝えしています。
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