クラブワールドカップの組み合わせの決め方について真実を知った時、私はやりきれない気持ちになりました。
この組み合わせの決め方ではあまりに不公平で、評価の低いチームが勝ち上がるようなジャイアントキリングが起きにくいと感じたからです。
クラブワールドカップにおいてはヨーロッパ勢と南米勢ばかりが優遇されるような組み合わせの決め方になっています。
本日はクラブワールドカップの組み合わせの決め方と、その不公平な仕組みについて切れ込んでいきます。
あなたはこのクラブワールドカップの組み合わせの決め方について知った時、もうこの大会を楽しむことはできないかもしれません…
クラブワールドカップの組み合わせの謎。何故この組み合わせになるのか?
何故この組み合わせになるのか?
あなたはクラブワールドカップを見ていて、1度はこんな風に感じたことがあるはずです。
それではクラブワールドカップのトーナメント表を見てみましょう。
これはクラブワールドカップ2015の組み合わせです。
この大会ではヨーロッパ王者としてバルセロナ。
南米王者にリーベルプレート。
北中米カリブ海王者にクラブ・アメリカ。
アフリカ王者にマゼンベ。
アジア王者に広州恒大。
オセアニア王者にオークランドシティ。
開催国王者にサンフレッチェ広島が参戦しています。
この7チームがクラブワールドカップに参戦しています。
そして、クラブワールドカップの組み合わせに目を戻してみましょう。
気になるのはバルセロナとリーベルの位置ですね。この位置ならば、一勝するは決勝に到達することができます。非常に有利な組み合わせになっています。
ただ、問題なのはこの組み合わせがあらかじめ決まっていたということなのです…
一体クラブワールドカップの組み合わせの決め方の秘密はどうなっているのでしょうか?
クラブワールドカップ組み合わせの決め方の謎とは?
クラブワールドカップの組み合わせの決め方において、最も問題があるのは、ヨーロッパ王者と南米王者の組み合わせの場所が最初から決まっていることです。
つまり、ヨーロッパ王者と南米王者は一勝するだけで決勝に進出できるということが既定路線として決まっているのです。
なぜこのような不公平な決め方になるのでしょうか?
過去のクラブワールドカップは一発勝負だった
実は2005年大会までのクラブワールドカップはヨーロッパ王者と南米王者による一発勝負が通例でした。
大会名も「クラブワールドカップ」ではなく、「トヨタカップ」という名前で運営されていました。
もちろん2チームしか参加しないので組み合わせの決め方もへったくれもない一発勝負で、それが大会において希少価値の高さや、たった一つの試合の大切さ、尊さ、そして良い意味での緊張感を醸し出していました。
しかし…
クラブワールドカップの拡大。トーナメント方式の導入へ。
そこにクラブワールドカップの拡大案が提示されます。トーナメント方式を採用して、各大陸の王者に加えて開催国の国内リーグ優勝チームも参加できるような形にしたのです。
それに反対したのがヨーロッパ勢。特にG14というヨーロッパのビッグクラブで形成された組織からの猛反発を受けた のです。
クラブワールドカップが開催される期間に、ヨーロッパ勢はシーズ ンまっただ中。その合間を縫って日本に来日し、クラブワールドカ ップを戦わなければならないのです。
当然過密日程の中で時差の大きく異る日本に来日して、1試合ならまだしも、3試合も4試合も戦うことは選手たちにとって大きな負担になってしまうのです。
一時はこの新しいスタンダードに欧州側はクラブワールドカップか らのボイコットも仄めかしたといいます。しかし、ヨーロッパ王者 がこの大会に参戦しないのは、興行的に大きな問題を抱えてしまう ため、妥協案を提示するしかなかったのです。
そしてそのFIFAが提示した案が、クラブワールドカップの組み合わせの決め方に大きな影響を与えたのです。
その影響とは…
FIFAが提案した妥協案がクラブワールドカップの組み合わせに 影響!
FIFAがG14に提案した新しい組み合わせ方式というのが、ヨ ーロッパ勢と南米勢の準決勝からの参戦というものだったのです。
また、それに合わせて、大陸ごとにランクの低い、オセアニアと開 催国王者が1回線を戦い、その勝者がアフリカ王者、北中米カリブ 海王者、アジア王者のいずれかと準々決勝を戦うという方式が提案 されました。もちろん準々決勝から参戦する3リームの内2チーム は直接対決を行い、その勝者が準決勝でヨーロッパ王者か南米王者 と戦うという組み合わせの決め方になりました。
そのFIFAからの提案に対して、渋々G14も納得。
こうして、クラブワールドカップの組み合わせの決め方はよりヨー ロッパ勢に負担の少ない方式が採用されることになったのです。
しかし、それでもクラブワールドカップという大会の負担は大きく ヨーロッパ勢にのしかかっているのです…
組み合わせの決め方変更でもヨーロッパ勢にのしかかる大きな負担…
クラブワールドカップの組み合わせの決め方をよりヨーロッパ勢や 南米勢に有利な形に変えたとしても、彼等に対する負担は非常に大 きなものとしてのしかかり続けています。
2014年大会に参戦したレアルマドリードは、それまでカルロ・ アンチェロッティに率いられてリーグ戦で連勝街道を驀進していま した。しかし、12月にクラブワールドカップに参戦すると、心身 に大きなh樹たんを抱えてしまい、連勝記録がかかっていた201 5年の年明け初戦ではバレンシア相手に惨敗を喫しています。
年末はスペインリーグもウインターブレイクという1周間から10 日間の休暇に入ります。レアルマドリードの選手たちはその間で疲 れが抜けきらず、また中途半端な休暇で集中力が切れてしまい、敗戦を喫してしまいました。
やはり、シーズンのまっただ中にヨーロッパから遥か日本まで長距離の移動を行うのは、非常に大きな負担を伴うのです。
クラブワールドカップはそうしたヨーロッパ勢の事情を考慮して、組合わせの決め方にも細心の注意を払っています。
もちろんこうしたヨーロッパ勢や南米勢が有利となるクラブワール ドカップの組み合わせの決め方には、他の大陸からは反発が無いわけではないようですが、 それでも彼等は大会で負担を負うこと以上に、レアルマドリードやバルセロナ、マンチェスターユナイテッドと対戦することができる、という大きな宣伝効果を期待することができます。
ここまで御覧頂いたように、クラブワールドカップの組み合わせの決め方には一山も二山もあったのです。
しかし、クラブワールドカップには、この組み合わせの決め方以上に問われていることがあるのです…
混迷のクラブワールドカップ。問われるのは組み合わせの決め方以上に大会の意義
クラブワールドカップにおいて組み合わせの決め方以上に問われるべきなのは、この大会の意義ではないか、とはよく言われる議論です。
レアルマドリードやバルセロナ、マンチェスターユナイテッド、バイエルンミュンヘンなどヨーロッパのようなヨーロッパの強豪が、中東を始めとするアジア勢やJリーグの王者と戦って何の意義があるのでしょうか?
また、オークランドシティがJリーグの王者と試合を、仮にも「ワールドカップ」と称して戦うことに対して、何の意義があるのでしょうか?
少なくとも筆者にはこれらの試合に見る価値はほとんどないと感じています。
さらに恥ずかしいのは、どう多めに見積もってもワールドクラスとは言えないこれらのチームを日本のメディアがスーパースターが到来したかのように、過剰に報道していることです。それだけ客を呼びたい、視聴率を高めたいという思いがあるのかもしれませんが、もう少し客観的に報道するということを勉強すべきなのではないでしょうか?
もちろん客は正直で、残念ながらクラブワールドカップの一回戦にはサポーター以外はほとんど興味を持ちません。いや、一回戦はおろか準々決勝すら、さほど人々の大きな興味の対象にはならないのです。
Jリーグ王者はまだ開催国という恩恵を受けて、大きな声援を受けることもありますが、それ以外のチームは南米勢でさえも、あまり声援はありません。
ヨーロッパ勢に関しても、準決勝はスタメンクラスを投入せずとも楽に勝利できるということで、ベンチメンバーをピッチに立たせる温存策を使用することが多くなっています。特にレアルマドリードやバルセロナのように層が厚いチームは準決勝にスタメンクラスのメンバーは来日すらしませんでした。
決勝に関しても2010年大会を除いて、ほとんどがヨーロッパ代表対南米代表になっています。唯一一度だけアフリカ代表のマゼンベが決勝に進出したことがありましたが、それ以外は実質的にヨーロッパ対南米の構図は崩れていないのです。
クラブワールドカップには、組み合わせの決め方云々の前に大会の価値が疑われるような状況なのです。
最近では、参加数を増やして大会の意義を高めようとしようとする意見も出ているようですが、果たしてそれだけで問題が解決するのでしょうか?大会としてより魅力が増すためには、大陸間ごとのパワーバランスを改善すること、そしてその後に組み合わせの決め方を公平なものに変えることなのではないかと考えます。
本日はクラブワールドカップの組み合わせの決め方と、大会の意義についてお伝えしました。
そして、下のリンクにはクラブワールドカップを戦うために来日するレアルマドリードのメンバーが書かれています。メンバーに関する詳しい情報が書かれているので、観戦の際には必読です。ぜひクリックして見てみてください!
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