2017年12月1日、サッカー界においてピッチ以外の場所で最も注目を浴びるイベントが行われました。
ロシアワールドカップの組み合わせ抽選会が行われたのです。
そこで、我らが日本代表はサッカーポーランド代表との対戦が決まりました。
この抽選会以降、日本代表のサポーターからのサッカーポーランド代表に対する視線は確実に強まっています。
そして、多くの人がこんな疑問を抱いたはずです…
サッカーポーランド代表は強いのだろうか?
今回はサッカーポーランド代表が強いのか、そして日本代表に勝機はあるかどうかをお伝えしましょう。
引き当てたのは東欧の強国!日本代表はサッカーポーランド代表に葬られる!?
12月2日にロシアのサンクトペテルブルクで行われた、ロシアワールドカップの組み合わせ抽選会。
そこで、我らが日本代表は南米のコロンビア代表、アフリカのセネガル代表、そしてヨーロッパのサッカーポーランド代表を引き当てました。
最弱のポット4に振り分けられていた日本代表は、強国との対戦が避けるのは難しく、ポット1のシード国は開催国のロシアがベストでしたが、引き当てたのはサッカーポーランド代表でした。
日本代表はこれまで参加した5度のワールドカップでシード国に勝利どころか引き分けた実績もなく、このサッカーポーランド代表にも苦戦が予想されています。
ワールドカップでは過去のジンクスが強くモノを言い、やはり強国ポーランドに対して日本代表は苦戦は逃れられないでしょう。
しかし、冷静に考えてみると、こんな考え方もできるのです…
サッカーポーランド代表は悪くない対戦相手か!
ポット1に選ばれたシード国は、開催国のロシアを別として、先の親善試合で敗れた王国ブラジル、タレント軍団ベルギーを始め、世界王者ドイツ、メッシ擁するアルゼンチン、優勝候補の一角フランス、ヨーロッパ王者ポルトガルです。
彼らとの対戦の可能性があったことを考えると、サッカーポーランド代表というクジは比較的恵まれていると言えるのかもしれません。
とはいえ、それでも前世界王者のスペインや伝統国イングランドをポット2に蹴落としているサッカーポーランド代表。
当然侮ることはできません…
それでは、サッカーポーランド代表はどの程度強いのでしょうか?
サッカーポーランド代表は強いのか?
結論から言うと、サッカーポーランド代表は強い。
イタリアやオランダが敗退したヨーロッパ予選を勝ち上がり、2016年にフランスで行われたヨーロッパ選手権ではベスト8に進出しているのです。
しかし、フランスやスペイン、ベルギーのように圧倒的なタレント力を有しているわけではありません。
サッカーポーランド代表の最高のタレントはバイエルン・ミュンヘンのロベルト・レバンドフスキですが、ワールドクラスのタレントは彼くらいのものです。
そう、サッカーポーランド代表の強みはタレント力とは違うところにあるのです…
それでは、サッカーポーランド代表の強さの理由はなんなのでしょうか?
サッカーポーランド代表の強さの理由①経験
サッカーポーランド代表の最大の強みは豊かな経験です。
主力のほとんどが30歳前後で代表選手としてもクラブレベルでも豊かな経験を持っています。
特にヨーロッパ選手権ではここ3大会に連続出場しており、着々と国際経験を積み重ねてきました。
ワールドカップの出場は2006年のドイツ大会以来3大会ぶりで、このワールドカップでの敗退がチームにとっての1つの転機となりました。
そして、ベースとなるメンバーをほぼ固定してきたこの10年前後でチームは着実に経験を蓄積。
このロシアワールドカップはその集大成として国民から期待されています。
サッカーポーランド代表が、この10年の経験を糧に強くなってきたかは、FIFAランキングを見れば一目でわかります…
いかにして、サッカーポーランド代表は世界屈指の強さを手に入れたかのか?
サッカーポーランド代表はここ数年で驚異的な強さを身につけた国です。

それは、彼らのFIFAランキングを見れば一目瞭然なのです。
ブラジルワールドカップ終了直後のサッカーポーランド代表のFIFAランキングは61位でした。
これは当時の日本代表を下回る順位で、そもそもブラジルワールドカップの出場権すら掴むことができませんでした。
このFIFAランキングは、ワールドカップ直後に始まったヨーロッパ選手権の予選の組み合わせ抽選会にも影響力があり、当時61位だったサッカーポーランド代表は案の定第3ポットに組み込まれています。
ポット3には、サッカーポーランド代表の他にもスロベニア、イスラエル、トルコ、ノルウェーなどがいたと考えると、やはりトップクラスの強国からは大きく格が落ちる印象です。
このヨーロッパ選手権は大会出場国枠の拡大にも恵まれて、2位で本大会へと参戦。
そして、ベスト8に躍進したことによってFIFAランキングは大きく上昇し始めました。
FIFAランキングを30位まで浮上させたまま、予選を勝ち抜きました。
そして、ブラジルワールドカップからわずか3年強でサッカーポーランド代表はFIFAランキングの6位に位置しています。
いくつかの国際大会や予選を駆け抜けたチームは確実に成熟を遂げ、タレント力に頼らない極めてコレクティブな集団へと成長しました。
チームとしての平均年齢が上昇した結果、豊かな経験を手にし、それが強さの源の1つとなっています。
そして、それに伴うモチベーションもサッカーポーランド代表の強さの1つと言えるでしょう。
今回のロシアワールドカップは、史上最強とも言えるメンバーで挑むことができる最後の大会となります。
ワールドカップ終了後にはピシュチェクや、ブワシュチコフスキら何人かのベテランはサッカーポーランド代表としてのキャリアに幕を引くはずです。
サッカーポーランド代表の強さの理由②組織力
長年苦楽を共にしてきたメンバー同士での理解が深いのもサッカーポーランド代表の強さの源です。
サッカーポーランド代表のベースとなるのは、堅守です。
エースストライカーのレバンドフスキに注目が集まりますが、全体的なタレントはチームの屋台骨を支える守備陣に偏っています。
ゴールキーパーはウカシュ・ファビアンスキ、ヴォイチェフ・シュチェスニー、プルゼミスラフ・ティトンといずれもヨーロッパ三大リーグでプレーする実力者をズラリと揃えています。
最終ラインの軸はモナコのカミル・グリク。
188㎝のストッパーで、読みの鋭さと一対一の強さを備えたフランスリーグでも屈指のセンターバックです。
2015-2016シーズンに在籍したセリエAのトリノでは8ゴールを挙げたように、センターバックとしては驚異的な得点能力を秘めています。
モナコではチャンピオンズリーグでベスト4に進出したように国際経験も豊富で、日本代表がサッカーポーランド代表の守備網をかいくぐるには、まずはこのグリクの所を回避するという判断が必要になるかもしれません。
右サイドバックは、香川真司とドルトムントでチームメイトのウカシュ・ピシュチェク。
もともと運動量が豊富なサイドバックでしたが、加齢の影響でアップダウンの回数が落ちてきた分を、クオリティで補っています。
クロスの精度やオーバーラップのタイミング、そして老獪なディフェンスを含めた総合力で未だにヨーロッパでもトップクラスのライトバックであることは間違いありません。
中盤の軸はグジェゴシュ・クリホビアク。
ポーランドの選手としては珍しくスペインで頭角を現した本格派のファイターです。
190㎝83kgという鋼の肉体を生かしたブチかましに魅力があります。
2016年に移籍したパリ・サンジェルマンでは結果を残すことができませんでしたが、2017年の夏に移籍したイングランドのウェスト・プロムウィッチ・アルビオンで復活を目指しています。
サッカーポーランド代表の強みは、タレント力と組織力が融合した守備力の高さです。
そして、その粘り強い守備からワンチャンスでゴールを陥落するのが、ロベルト・レバンドフスキ。
この男は間違いなく、現時点で世界最高のセンターフォワードといっても過言ではないでしょう…

いかにして、日本代表はレバンドフスキを封じ込めるのか?
レバンドフスキの強みを挙げだしたらキリがありません。
サイドからのクロスに飛び込んでもよし、スルーパスにタイミングよく反応して裏のスペースを攻略してもよしです。
ゴールのパターンも実に多彩で、右足、左足、頭と満遍なくゴールを奪えるという点でも長けています。
通常、純粋なセンターフォワードはペナルティボックスの外ではやや存在感が薄れる傾向がありますが、レバンドフスキの場合は強烈なミドルシュートを備えているので、やや離れた位置からでも相手にとっては大きな脅威となるのです。
それでは、レバンドフスキを封じ込めるのに、日本代表はどんな手を施したら良いのでしょうか?
結論から言うと、現在の日本代表にはレバンドフスキを封じ込める方法はほとんどありません。
レバンドフスキの唯一の欠点は水準を上回る程度と言われるスピードと加速です。
もちろん、水準を上回る程度といっても今の日本代表にレバンドフスキのスピードについていける守備者はおらず、劣勢は必至です。
最終ラインを高く保つことによって、レバンドフスキをゴールから遠ざけることはできるでしょうが、ゴールキーパーと最終ラインとの間に広大なスペースを与えることになるし、そもそも守備的な人海戦術を推奨するハリルホジッチがハイラインを保つことに対してOKは出さないでしょう。
個の力でも劣勢は避けられません。
レバンドフスキに対抗するとしたら、アジア最高のセンターバックとも評される吉田麻也しかいません。
それでも、ヨーロッパの中堅クラブのレベルに留まる吉田麻也と、ここ数年間世界最高と評されるレバンドフスキとでは、次元が違うと言わざるを得ないでしょう。
ジョーカーにもアルカディウシュ・ミリクという逸材を擁しており、膠着した展開まで持ち込んだとしても、スパイスの効いたカードがベンチに控えています。
また、ピオトル・ジエリンスキ(ナポリ)、ブワシュチコフスキ(ヴォルフスブルク)といった曲者も封じ込めなければなりません。
サッカーポーランド代表を無失点に抑えることができたら、それは日本代表にとってとんでもない奇跡です。
ワールドカップでは第1ポットに振り分けられた国には勝利はおろか、引き分けた実績も持たない日本代表には偉業と言えるでしょう。
大きな隙がないようにも見えるサッカーポーランド代表。
では、どうすれば日本代表は史上最強のサッカーポーランド代表から勝ち点を奪えるのでしょうか?
サッカーポーランド代表を攻略するのはこの男!
日本代表がサッカーポーランド代表を攻略するにはこの男の力が必要です。
それは…
香川真司です。
サッカーポーランド代表には大きく、強いメンバーが揃う一方でアジリティやスピードに難があるのも事実です。
それは守備陣により顕著で、元来重量級のグリクはもちろん、ピシュチェクも加齢の影響で全盛期ほどのアジリティを維持できていません。
密集地帯での細かなパスワークやドリブルで、サッカーポーランド代表の屈強な守備網を切り裂くことができるとしたら、やはり香川真司が適任と言えるでしょう。
また、サッカーポーランド代表の守備網を横方向に押し広げることができる乾貴士も面白い存在になるかもしれません。
パチューカで復活の兆しを見せている本田圭佑は、アジリティとモビリティの問題もあり、サッカーポーランド代表の守備網に絡め取られる可能性が高そうです。
残念ながら香川真司は11月の日本代表のヨーロッパ遠征で選出されず、ここにきて尻に火がついています。
ピーター・ボス監督が解任されたドルトムントでは定期的に出場機会を得ており、調子も上向きなのでロシアワールドカップの本大会で落選するということは、さすがに考えにくいですが…
問題は極めて守備的な『弱者の理論』に基づいた組織構築が一向に進展させることができていないハリルホジッチ監督が香川真司をピッチに送り出すリスクを犯せるか、という所が焦点でしょう。
恐らく、年齢的にはこのロシアワールドカップは香川真司にとっての最後のワールドカップになるでしょう。
日本代表の10番はロシアのピッチに立つことができるのでしょうか?
今回はサッカーポーランド代表が強い理由、そして彼らの攻略法についてお伝えしました。
そして、下のリンクではサッカードイツ代表の主要メンバーやフォーメーションについてお伝えしています。
世界最高のタレントを擁しており、前回大会に続いてロシアでも優勝候補筆頭と評価されるサッカードイツ代表。
ポーランド系の移民が多いことでも知られ、選手のタイプは比較的大柄で筋肉質の選手が多く、サッカーポーランド代表を攻略するためのヒントが隠されているかもしれません…

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