スペイン代表は、ワールドカップ予選で素晴らしい戦いを経て、新しい段階へと進化しつつあります。
弱体化が指摘され、かつ強力なライバルと同居したワールドカップ予選で、スペイン代表は…
明らかなレベルアップを遂げたのです。
今回は2017年スペイン代表のフォーメーションをお伝えし、ワールドカップまで残り1年をきった段階で、スペイン代表はどのような進化を遂げようとしているのでしょうか?
スペイン代表がワールドカップ予選でライバルを蹂躙!強さの秘密!
2014年のワールドカップでグループリーグ敗退、2016年のヨーロッパ選手権(ユーロ)でベスト16敗退とスペイン代表はそれまで築き上げてきた強さを失いました。
彼らは2008年のユーロ、2010年ワールドカップ、そして2012年のユーロと主要国際大会を3連覇した史上初めての代表チームだったからです。
まさしく、この3年間のスペイン代表の歴史は転落の歴史そのものでした。
しかし…
2017年の彼らは違います。
ワールドカップ予選では8試合を終えて7勝1敗で首位を快走し、残りの2試合で1勝すれば本戦への出場を事実上決定することができます。
ユーロで苦杯を舐めたイタリアをも、9月のホームでは3-0と粉砕し、首位をキープしているのです。
2017年のスペイン代表は新たな力をつけて、本来の強さを取り戻しました…
そして、その強さは彼らのフォーメーションなくしては語れません。
2017年のスペイン代表が完成させた3つのフォーメーション!
ユーロの後にスペイン代表監督に就任し、メンバーと共に組織の熟成を図っているのが、ロペテギ監督。
2016年から2017年のスペイン代表は主に2つのフォーメーションを駆使して戦ってきましたが、ここにきて新たなオプションとなるフォーメーションを構築しています。
2017年スペイン代表フォーメーション①4-3-3
こちらが、スペイン代表がもっとも重用しているフォーメーションのひとつである、4-3-3。
4人のDFの前に3人のMFを逆三角形に置くフォーメーションです。
逆三角形の頂点にはいる選手は一貫してバルセロナのセルジ・ブスケッツで、効果的なパスを味方に配球しながら、高い危機察知能力で相手のボールを回収していきます。
ブスケッツの前方に位置する2人のMFは、パスワークに参加しながら、機を見てファイナルサード、さらにはペナルティエリアに侵入してゴールを狙います。
3トップの両翼を担う選手は純粋なサイドアタッカーは1人しか起用されず、基本的には攻撃的MFタイプの選手が起用されることが増えています。
時にはサイドアタッカーが一切起用されない試合もあります。
これは豊富な人材が揃う攻撃的MFの選手を大量にピッチに送り出すためです。
攻撃が中央のゾーンに偏り、渋滞を起こすという弊害もありますが、攻撃的なカラーが強い両サイドバックがスペイン代表のオフェンスに幅をもたらしています。
4-3-3のフォーメーションで頂点におかれることが多いのが、2017年の夏にプレミアリーグのチェルシーに移籍したアルバロ・モラタです。
190cmを超える大柄な選手ではありますが、スピードと足元のテクニックを持ち合わせており、ドリブル突破もお手の物です。
それでいて、現在のスペイン代表では95分に1点のペースで得点できる安定した活躍が見込めるストライカーでもあります。
レアルマドリードでは出番に恵まれませんでしたが、いよいよスペイン代表のエースとして君臨する日が近づいてきています。
2017年スペイン代表フォーメーション②4-3-1-2
こちらが2017年スペイン代表のフォーメーションのふたつ目のオプションです。
この4-3-1-2のフォーメーションは前任のビセンテ・デル・ノスケ監督時代にも何度かお目見えしたフォーメーションです。
4人のDFと3人のMFという構成は変わらずに、前線の形と編成を変えているのが、このフォーメーションの特徴でもあります。
センターフォワードのポジションのやや後方に攻撃的MFタイプを置く、いわゆる0トップのフォーメーションです。
ストライカーを攻撃的MFに変えているため、中盤の構成力が極限まで高くなっており、ボールの支配力では他国の追随を許しません。
0トップのフォーメーションの頂点(偽9番)を任されるのは、マンチェスター・シティのダビド・シルバです。
プレミアリーグでも安定して10ゴール前後のスコアを挙げられるシルバはストライカーを置かずとも、得点力を維持できる貴重な存在です。
①の4-3-3のフォーメーションが採用される際は右ウイングで先発しますが、4-3-1-2のフォーメーションでは偽9番を任されます。
シルバが前線から中盤に降りてくるのに連動して、3MFの一角が前線に飛び出すことで、相手守備網に歪みを生みます。
またとりわけ人に強いタイプの相手センターバックにとってはマークの基準となる選手が、対面にいないというのも、大きな心理的負担となるとも言われています。
2017年9月のイタリア戦でスペインはこの4-3-1-2のフォーメーションを採用し、見事に3-0で解消しています。
得意のパスワークで作り出した歪みをMFイスコが持ち前の突破力で打開し、フリーキックも含めた2得点をあげる活躍を見せています。
2017年スペイン代表フォーメーション③3-4-3
この3-4-3のフォーメーションは2017年9月のリヒテンシュタイン戦で採用された新システムです。
就任以降一貫して4バックのフォーメーションを採用してきたロペテギ監督でしたが、大きく力の劣る相手との一戦とあって、大胆なフォーメーションチェンジを行いました。
3バックは右からセルヒオ・ラモス、ジェラール・ピケ、ナチョ・モンレアル。
中盤は底にセルジ・ブスケッツ、右MFにチアゴ・アルカンタラ、左MFにアンドレス・イニエスタ、頂点にダビド・シルバを起用しています。
3トップは右にペドロ・ロドリゲス、左にイスコ、そして頂点にはモラタが起用されています。
3バックの左にナチョ・モンレアルが起用されたのは、3バックのフォーメーションが機能しなかった際に4バックに戻すための選手が必要だったからでしょう。
もともと4バックの左サイドバックを最も得意とする選手でしたが、ここ数年のアーセナルではセンターバックも経験済みで、マルチさを身につけつつあります。
既に32歳になるベテランですが、2017年以降も有用な存在であることを見せ付けました。
この試合でスペイン代表は8-0という驚異的なスコアで快勝しています。
とりわけ素晴らしいパフォーマンスを発揮したのが、モラタです。
チェルシーで同僚のペドロ、そして2016-2017シーズンまでレアルマドリードで共に戦ったイスコが近くにいたのが良かったのか、2得点の活躍を見せています。
途中出場で同じく2得点と結果をだしたイアゴ・アスパスもスペイン代表において貴重な戦力であることを証明しました。
8-0という快勝を飾ったとはいえ、相手はワールドカップ予選で万年予選敗退のリヒテンシュタイン。
2017年のスペイン代表はこの新フォーメーションが強豪や同格以上の相手にどこまで通用するのかを見定めていく必要があるでしょう。
しかし、スペイン代表に新たな戦い方が出来たのは2017年の明るい話題の一つです。
今回は2017年スペイン代表のフォーメーションについてお伝えしました。
そして、下のリンクでは2017年のスペイン代表の主要メンバーを紹介しています。
2018年のワールドカップで優勝を狙う彼らはどのような陣容で、戦うのでしょうか?
ポジション別の序列や選手層の厚さがわかる内容になっています。
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