既にセリエAで5連覇を達成しているイタリアの絶対王者ユベントス。
2016-2017シーズンも最終盤に差し掛かったこの段階でも、6連覇は確実なものとなりつつあります。
この6連覇という成績は…
イタリアでは初の快挙となります。
そして、ユベントスは6月に21年ぶりのチャンピオンズリーグ制覇をかけて、現王者レアルマドリードと対戦します。
2016-2017シーズンのユベントスの戦術的な強みはどこにあったのでしょうか?
今回はユベントスのフォーメーション2017と題して、絶対王者の強さの秘密をお伝えします!
いかにしてユベントスはセリエAを蹂躙したか?
2016-2017シーズンもユベントスは圧倒的な強さでセリエAを蹂躙し、史上初の6連覇に向けて驀進しています。
そして、6月3日には21年ぶりの覇権をかけて、レアルマドリードとチャンピオンズリーグの決勝に臨みます。
この試合に勝利すれば、2016-2017シーズンの欧州王者はユベントスとなり、2017年末にUAEで行われるクラブワールドカップに出場する権利をつかみます。
2016-2017シーズンに圧倒的な強さを示したユベントスですが、その強さの秘密はどこにあったのでしょうか?
ユベントスの柔軟性のあるフォーメーションは、確実にその理由の1つと言えるでしょう…
ユベントスが2つのフォーメーションを使い分けた理由…
2016-2017シーズンのユベントスは、2つのフォーメーションを使い分けました。
主に前半では3-5-2のフォーメーションが採用され、後半では4-2-3-1のフォーメーションが採用されました。
2016-2017シーズンユベントスのフォーメーション①3-5-2
ユベントスは2016-2017シーズンの前半戦で3-5-2のフォーメーションを採用しています。
こちらが3-5-2のフォーメーションを採用した時のユベントスのスタメンメンバーです。
GK
ジャンルイジ・ブッフォン
DF
アンドレア・バルザーリ
レオナルド・ボヌッチ
ジョルジョ・キエッリーニ
MF
マリオ・ルミナ
サミ・ケディラ
ミラレム・ピアニッチ
ダニエル・アウベス
アレックス・サンドロ
FW
パウロ・ディバラ
ゴンサロ・イグアイン
これが、ユベントスが2016-2017シーズンの序盤に採用していフォーメーションです。
元々はアントニオ・コンテ現チェルシー監督が、組み上げたフォーメーションで、現在のユベントスは当時のチームがベースとなって作られたチームです。
コンテが去り、元アルゼンチン代表カルロス・テベス、元イタリア代表アンドレア・ピルロ、そしてフランス代表ポール・ポグバが退団し、その度にユベントスはマイナーチェンジを施して戦ってきました。
ユベントスの選手たち、そして元監督のマッシミリアーノ・アッレグリが素晴らしいのは、主力が毎年のように退団しながらも、マイナーチェンジを施しながら最終的なチームの完成形をよりハイレベルに仕上げたことです。
そして、その到達点が2016-2017シーズンのもう1つの基本フォーメーションということになります。
2016-2017シーズンユベントスのフォーメーション②4-2-3-1
この4-2-3-1のフォーメーションがユベントスが2017年から新たに導入した新システムです。
2015-2016シーズンでも何度かお目見えしていたフォーメーションですが、2016-2017シーズンに本格導入することになりました。
その理由はアンドレア・バルザーリの故障にあります。
この36歳のイタリア代表は、さすがに加齢の影響でシーズンを通したフル稼働が難しくなりつつありました。
しかも、本来は2016年にフランスで行われたユーロを持ってイタリア代表を引退する意向でしたが、仲間たちに請われて代表生活の続行を決断。
36歳にして未だにクラブと代表の二足のわらじを履くことを決意しました。
本来、バルザーリのポジションには若きイタリア代表ダニエレ・ルガー二、あるいはモロッコ代表メディ・ベナティアが務める予定でしたがルガー二は経験が、ベナティアは怪我の影響でスタメンの座を掴むことができませんでした。
そこで、センターバックが頭数不足に陥ったアッレグリ監督が踏み切ったのが、両ウイングバックを1列下げて、センターバックを1枚外す、4バックシステムの導入だったのです。
そして、このメンバーがユベントスが4-2-3-1のフォーメーションを採用した時のレギュラーです!
GK
ジャンルイジ・ブッフォン
DF
レオナルド・ボヌッチ
ジョルジョ・キエッリーニ
ダニエル・アウベス
アレックス・サンドロ
MF
サミ・ケディラ
ミラレム・ピアニッチ
FW
ファン・クアドラード
マリオ・マンジュキッチ
パウロ・ディバラ
ゴンサロ・イグアイン
特徴的なのが、3-5-2のフォーメーションを採用時にはベンチウォーマーだったマリオ・マンジュキッチとアンドレス・クアドラードが同時起用されること。
イグアイン、ディバラと併せて、ユベントスが抱える5人のFWのうち、4人が同時起用される極めて特殊な人材活用法です。
ちなみにもうひとりのFWであるクロアチア代表マルコ・ピアツァは負傷により長期離脱となっています。
4-2-3-1のフォーメーションを採用したユベントス、一体何が変わったのか?
4-2-3-1のフォーメーションを採用したことで、大きく変わったのが右サイドの推進力と攻撃力。
ブラジル代表ダニエル・アウベスとコロンビア代表クアドラードがデュオを組むことで、強力な縦のラインが形成されています。
一方で攻守のバランスに大きく貢献しているのが、左ウイングで起用されているマンジュキッチ。
大柄で元来は生粋のセンターフォワードであるこのクロアチア代表は、実は前線からのプレッシングを厭わないという献身性を備えています。
これまでグアルディオラやシメオネなど多くの監督と衝突してきたマンジュキッチですが、ユベントスではチームスピリッツにあふれたプレーで貢献しています。
特にマンジュキッチが印象的だったのは、2016-2017シーズンのチャンピオンズリーグの準々決勝バルセロナ戦。
マンジュキッチはバルセロナの右サイドに位置するリオネル・メッシを追いかけて、自陣左サイドの深い位置でディフェンスを敢行。
体を張った守備で無失点での勝利に貢献しています。
ダブルボランチの一角でドイツ代表サミ・ケディラと共にユベントスというチームに高さとパワー、そしてインテンシティを注入しています。
そして、そのケディラとコンビを組むのがボスニアヘルツェゴビナ代表ピアニッチ。
2016-2017シーズンの開幕前にローマから加入した司令塔はパスワークで後方からチームを組み立てる役割を担っています。
まだチームに完全に馴染みきったわけではなく、2017-2018シーズンはもう一段階のレベルアップが望まれます。
とはいえ、世界屈指のプレースキッカーとしてチャンスメイクに欠かせない存在です。
いかにチームに変化が加わろうと、絶対的に不変なのがゴールキーパーのブッフォン。
39歳になった今も世界最高の守護神に君臨するブッフォン。2016-2017シーズンもミスの少ない堅実なプレーで最後方からチームを支えています。
恐らく、2017-2018シーズンがユベントスで過ごすラストシーズンと言われています。
6月には自身3度目となるチャンピオンズリーグの決勝戦に出場します。
ユベントスにとっては21年ぶり、そしてブッフォンにとってはキャリア初の悲願に挑みます。
今回は2016-2017のユベントスのフォーメーションについてお伝えしました。
そして、下のリンクでは2016-2017シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、レアルマドリード対ユベントスの戦いの展望についてお伝えします。
2016-2017シーズンのヨーロッパサッカーの最終章をしっかりと見届けましょう…
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