あなたはコロンビア代表のエースがレアルマドリードで干されると予想できましたか?
2014年のブラジルワールドカップで華々しい活躍を見せた時のハメスを見て、現在の立場は到底想像がつきませんでした。
そして、ハメスの苦境は未だに続いており、殆どの試合でベンチを温めています…
なぜ、ハメスはレアルマドリードでポジションを失ったのでしょうか?
そして、ハメスがレアルマドリードでポジションを奪うとしたら、どこで使うのが最適解になるのでしょうか?
ハメスのキャリアが暗転した理由…
2014年のブラジルワールドカップで、コロンビア代表をベスト8まで導いたハメス・ロドリゲス。
コロンビアの英雄バルデラマの再来とまで謳われ、母国の代表チームで圧倒的な存在感を放っていました。
私たち日本人にとっても記憶に新しいのは、グループリーグで当時ザッケローニ監督が率いていた日本代表とも対戦し、トップ下のポジションで躍動。鮮やかにゴールネットを揺らされたからです。
その後、準々決勝で開催国ブラジルと対決し、激闘の末敗れ去りました。
ハメスのパフォーマンスの高さに感動したブラジルのイレブンが、涙を流すハメスに対して慰めの言葉をかける光景が非常に印象的でした。
その後、ワールドカップでの活躍に注目したレアルマドリードがハメスの獲得に向けて当時所属していたフランスのモナコに正式オファー。
そして、正式にレアルマドリードのハメス・ロドリゲスが正式に誕生しました。
レアルマドリード移籍のハメスに与えられたポジションは?
当時のレアルマドリードは2013-2014のチャンピオンズリーグを制した欧州王者として君臨していました。
その時のメンバーからアルゼンチン代表アンヘル・ディ・マリアがマンチェスターユナイテッドに移籍。
ハメスはディ・マリアが務めていた3センターハーフの左、すなわち左インサイドハーフのポジションが与えられ、クロアチア代表ルカ・モドリッチ、そしてハメス自身と同時にレアルマドリードに加入したドイツ代表トニ・クロースと中盤を形成しました。
よりレンジの長いパスが得意なクロースが、アンカーと呼ばれる中盤の底に入り、ゴール近くでの決定的な働きが期待できるモドリッチとハメスがそのやや前方に構えるポジションを与えられた格好です。
ハメス自身はレアルマドリードへの移籍を強く希望し、半ばそのわがままを押し通すような形で、モナコを退団しました。
それだけハメスはレアルマドリードに対する想いが強かったのですが、そこには大きな誤算がありました。
ハメスがレアルマドリードで王様になれなかった理由!
レアルマドリードにはフランス代表カリム・ベンゼマ、ウェールズ代表ギャレス・ベイル、ポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドからなる『BBC』が君臨していました。
この『BBC』は、レアルマドリードが当時通算10度めとなるチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたチームの中核となる働きを披露しました。
基本的にレアルマドリードでは『BBC』には守備の負担がほとんどなく、攻撃時には自由が与えられていました。
アルゼンチン代表の主力格だったディ・マリアさえも大きな守備の負担を強いられ、この小柄なアタッカーは献身的なディフェンスで守備を支えていました。
しかし、ポルト、モナコ、そしてコロンビア代表で王様的な振る舞いを見せていたハメスにとって、レアルマドリードでの脇役扱いは大きな苦痛を伴うものでした。
特に献身的な振る舞いを見せていたディ・マリアとそのまま入れ替わったハメスに対しては、かなり厳しい視線が浴びせられていました。
顕著だったのはハメスが加入したことで、中盤の守備力が著しく低下したこと。
前方で相手に対するプレッシングがかからなくなり、いとも簡単に最終ラインの手前までボールを運ばれるシーンが目立ちました。
これは中盤のポジションにハメスが入ったから、というだけではなく、元スペイン代表のシャビ・アロンソからクロースにアンカーが入れ替わったというのも原因のひとつです。
スペイン代表セルヒオ・ラモスとポルトガル代表ペペの守備力でなんとかピンチをしのいできたレアルマドリードですが、結果としてチャンピオンズリーグベスト4、そしてリーガエスパニョーラでは2位に甘んじ、無冠が決定。
アンチェロッティ監督が解任されるなど、ハメスのレアルマドリード移籍1年目は散々な結果になりました。
その後、レアルマドリードはベニテスが指揮しましたが、半年も保たずに解任。
現在はレアルマドリードのOBであるジダンが監督を務めています。
そして、現在もハメスはレアルマドリードでポジションを掴み取れていません。
これだけ恵まれた才能がありながら、なぜハメスにはポジションが与えられなかったのでしょうか?
それには3つの理由があります…
ハメスがポジションを失った理由①フォーメーションがかみ合わないv
これがハメスがレアルマドリードでポジションを失った1つめの理由です。
現在のレアルマドリードのフォーメーションは4-3-3。
ハメスが最も得意とするトップ下のポジションはそもそも設けられていません。
強いていえば、2014年の加入当初のようにインサイドハーフのポジションが収まりが良いですが、このポジションはトップ下とはかなり大きく求められうプレーの質が異なります。
ハメスはサイドのポジションでもプレーが可能で、現にボルト時代にはサイドでプレーしながら中央に自由にポジションを移しながらプレーしていました。
レアルマドリードではトップ下というポジションは愚か、ポジションを変えて自由に振る舞うことすら許されていません。
それができるのは『BBC』だけなのです。
ハメスがポジションを失った理由②守備力が低い
守備の貢献度が低いのはハメスの致命的な問題です。
モドリッチやクロース、マテオ・コバチッチが守備力を向上させ、攻守に貢献度を高めているのに対して、ハメスは守備のタスクを与えると大きくパフォーマンスが落ち、そもそも守備力が高くなく、一時期は前向きに取り組もうともしませんでした。
『BBC』が健在である限り、それ以外の選手は守備での貢献が必ず求められます。
ハメスがレアルマドリードでポジションを得るには、この役割を受け入れる必要性があるでしょう。
ハメスがポジションを失った理由③素行の問題
ジダンは規律を重んじる監督です。
ハメスは2016年に200km以上のスピードを出して公道を爆走し、警察沙汰になっています。
その辞退を重く見たジダンはハメスをレギュラー候補から除外する判断を下したといわれています。
もうひとつの問題はウェイトです。
ハメスはこの下の画像の通り、かなり細身でスリムな体型ですが、ベンチ生活が続いたことに嫌気が指したのか、ウェイトオーバーが指摘され始めました。
元々ハメスに対する評価が高くなかったジダンはさらに評価を下げて、ベンチで冷遇しています。
ハメス復活のためのポイントは?
ジダンによってベンチ生活が続くハメスですが、一方で試合に出場すれば印象的な活躍をするのは事実です。
特に印象的だったのは、3月のエイバル戦です。
クリスティアーノ・ロナウドとベイルが欠場したこの試合でレギュラーとして先発すると、トップ下のポジションで躍動。
1ゴール2アシストという抜群のパフォーマンスを発揮しました。
特に右サイドからのクロスにニアで左足で合わせ、体格に流し込んだのは、かなり難易度の高い技術です。
またクロスの精度も非常に高く、サイドでも持ち味が発揮できることを証明しました。
直接的なポジション争いのライバルとなるのは、スペイン代表マルコ・アセンシオ、イスコ、マテオ・コバチッチです。
また右サイドアタッカーのスペイン代表ルーカス・バスケスもライバルの一人です。
ハメスは得点力に秀でたアタッカーで、現在のレアルマドリードの中で役割と機能性を見い出せば、『BBC』に依存しがちなゴール数という点でチームを救う新たな得点源になれる可能性を見せています。
『BBC』との関係性は今後ハメスがレアルマドリードでポジションを奪う上で非常に重要と言えるでしょう。
ハメスを寵愛する人物とは誰だ!?
2017年の夏にはチェルシーへの移籍の噂されていますが、実はハメスはレアルマドリードのフロレンティーノ・ペレス会長の大のお気に入りでもあります。
アンチェロッティはハメスをさほど欲していなかったのですが、ワールドカップでのプレーを見て心酔したペレス会長が強権を発動したとも言われています。
その後、ポジションを失ったことで、ハメスはこれまでに何度か移籍願望を口にしたことがありますが、ペレス会長が直々に慰留をしたと言われています。
その影響で現在、チームの強化方針にも影響が出て、ジダンとペレスの間には確執があるとも噂されています。
いずれにしても、5月までハメスがレアルマドリードでプレーすることは確定しており、長いシーズンを考えると、この男の活躍はチームにとって大きな武器になります。
ポジションを奪えるかは微妙な状況ですが、クロースにかなりの疲労が伺えるのは事実です。
今回はレアルマドリードのハメスがポジションを失った理由についてお伝えしました。
そして、下のリンクでは2016-2017年のレアルマドリードのフォーメーションを紹介しています。どのポジションを誰が務めているのか、そしてバックアッパーは誰か、この記事を読めば知ることができるでしょう。
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