レアルマドリードのベンゼマとイグアイン、どちらが優れたFWか?

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あなたはこんな風に考えたことはないでしょうか?

『もしイグアインがレアルマドリードに残っていたらどんなチームになっただろうか?』

こんな風に考えたところで、イグアインがレアルマドリードに復帰する可能性は限りなく低いので、考えるだけ無駄なのかもしれません。

今や世界最高の点取り屋に成長したイグアインがレアルマドリードに残っていたら、どんなチームが完成したかと考えると、つい興奮してしまいます。

しかし、サッカーはそんなに単純ではありません。

仮にイグアインがレアルマドリードにまだいたとしても、活躍できた可能性は非常に低かったのではないでしょうか?

それを証明するには現在のレアルマドリードのFWベンゼマイグアインの能力を比較する必要があります。

あなたはこの記事を読み終わった時に、レアルマドリードのベンゼマとイグアインのどちらが優秀なFWなのか知ることができます。

そして、サッカーがどれほど難しいスポーツかも知ることができるでしょう。

ベンゼマとイグアイン。運命の糸はどこで交わったか?

レアルマドリードのベンゼマと、ユベントスのイグアイン

スペインとイタリアの両国の名門でプレーする2人のFWは同じ時代に生まれました。

それは1987年のこと。

ベンゼマが12月19日、イグアインが12月10日に生を受けました。

ベンゼマはフランスの新興クラブであるオリンピック・リヨンで台頭。リヨンが国内リーグで絶対的な地位を築いていた黄金時代にベンゼマは下部組織出身のチームの象徴として頭角を現しました。同じ時代にはアテム・ベン・アルファ、フロラン・マルダ、シドニー・ゴブなどフランスで一時代を築いたメンバーと共にプレーしています。

2009年にはフロレンティーノ・ペレス会長が就任したレアルマドリードに約30億円の移籍金で引き抜かれ、「新銀河系軍団」の一員として、この名物会長からの寵愛を受けています。

そして、レアルマドリードに辿り着いた時にイグアインに出会いました。

イグアインの横顔。あっという間にレアルマドリードのエースになるも…

ゴンサロ・イグアインは2005年に祖国アルゼンチンのリーベルでデビュー。2007年1月には19歳ながらレアルマドリードに引き抜かれて、スペインに渡ります。

レアルマドリードとしては、あくまで将来の布石としての獲得で、当初はスポット起用が続きましたが、あっという間に右ウイングのポジションを手に入れると、オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイの故障離脱によって、スペイン代表FWラウール・ゴンザレスと2トップを組むことになりました。この時はまだ21歳で、世界的な認知度のひくさを考えると、驚異的なスピードでレアルマドリードのエースに上り詰めました。

しかし、前述の通りペレス会長が復帰すると、ベンゼマと異なっていたのは、この会長から強烈に冷遇されたことでした。

ベンゼマとのポジション争いの中では常に優位に立ち続けたものの、自分の子飼いではないということで、冷遇され、2013年の7月にイタリアのナポリに移籍しています。ナポリでは3シーズンプレーして得点王を獲得。そして2016年にイタリア王者のユベントスへと移籍しています。

その後、イグアインが去ったレアルマドリードでベンゼマは絶対的な地位を確立。いまやベンゼマとイグアインは、時代を代表する選手となりました。

簡単にレアルマドリードのベンゼマとイグアインの経歴についてお伝えしました。

エリート街道を突っ走ってきたのがベンゼマであるならば、より陽の当たらない道を歩んだのがイグアインでした。

そして、ここからはベンゼマとイグアインの能力を比較してみましょう。

時代を代表する2人のFWはどちらが優れているのでしょうか?

レアルマドリード・ベンゼマとユベントス・イグアインの能力比較①得点力

実はレアルマドリードのベンゼマは得点力が高いタイプのストライカーではありません。周囲とリンクしたり、スペースを作ることで持ち味を発揮するタイプのセカンドストライカーです。

一方でイグアインは生粋のストライカーです。チャンスメイクよりもシュートや相手ゴール前をこじ開けるプレーに最高の喜びを見出すタイプで、味方のサポートを生かして、ゴールを狙うタイプの生粋の9番と言ってよいでしょう。

レアルマドリードのベンゼマはリヨンで本格的に台頭した2007-08シーズンから138得点を挙げています。

一方のイグアインも同じく2007-08シーズンの10シーズンの間に196ゴールを挙げています。

単純なゴールの数では1.5倍近い差がこの2人にはあるのです。

しかも国内リーグで他のチームとの間に圧倒的な戦力差があるレアルマドリードでのベンゼマに対し、イグアインはセリエAのナポリでさほど多くないチャンスをゴールに結び付けてきました。どちらが得点力に優れたかは一目瞭然です。

レアルマドリード・ベンゼマとユベントス・イグアインの能力比較②アシスト能力

ただし、アシスト能力に関しては、レアルマドリードのベンゼマと ユベントスのイグアインとでは雲泥の差があります。

ベンゼマはサイドに流れたり、ポストプレーをこなしたりとサポー ト役に回ることも多く、ゴール前でもシュートではなく、ラストパ スをファーストチョイスにすることが珍しくありません。特にレア ルマドリードのように、両脇でほとんどストライカーのように振る 舞う2人のウイング(クリスティアーノロナウドとガレス・ベイル )の個性を殺さないようにするにはインテリジェントな振る舞いが 何よりも求められるのです。

ベンゼマは既にレアルマドリードに在籍してすでに50を超えるア シストを記録。これはバルセロナのイニエスタを超える数字です。

一方でイグアインは生粋の9番(ストライカー)だけあって、あら ゆる動きがシュートに直結するように動きます。その動きもベンゼ マのそれに比べるとはるかに本能的です。ユベントスは今夏、個人 技と得点力に優れたフランス代表MFのポール・ポグバを放出。 その代わりとしてイグアインと、よりMFでのチャンスメイクに優 れたボスニア・ヘルツェゴビナ代表ミラレム・ピァニッチを獲得。 ポグバが保証していた年間10~15をイグアインに「移行」して います。

もちろんこれはイグアインの得点力を考慮しての補強です。

レアルマドリード・ベンゼマとユベントス・イグアインの能力比較③継続性

共に国内では常勝軍団である、レアルマドリードとユベントス。

ベンゼマ、 イグアイン共にゴールチャンスは1試合に10回は期待できる環境 で、共にコンスタントにゴールを呼び込み続けています。

今シーズンに関してはまだ10試合も終えていないので、 ベンゼマとイグアインのどちらに継続性があるかは測りかねますが 、昨シーズンに関してはいえば、 やはり継続性ではレアルマドリードのベンゼマが上回っていました。

純粋なゴールの数ではイグアインが上回っていますが、 ゴールが上げられなければアシストで味方を活かし、 味方が封じ込められれば自ら決めて見せる力強さを持っていたベン ゼマの方が長けていたように見えます。 特にベンゼマが特筆すべき点はこれまで両足のシュートばかりだっ たのに対して、ヘディングでのゴールも増えつつある点です。

また、 かつては1シーズンに10ゴールも上げられないシーズンもありま したが、 現在のベンゼマはレアルマドリードで悠々20ゴールはあげること ができるでしょう。

一方でイグアインはアシストがあまり期待できず、 味方を活かすプレーが少ない点と、 固め打ちが多すぎる点が減点材料です。

とはいえ、レアルマドリードのベンゼマ、 ユベントスのイグアインともに極めて優秀なFWであることに代わ りはなく、 チーム編成も彼等の適正に合ったチーム造りがなされており、 共にその環境下で持てる力を最大限発揮しているといっていいでし ょう。

何よりも見たかったと感じるのは、 生粋のストライカーであるイグアインとシャドーストライカーのベ ンゼマとのコンビです。この同世代の天才が終ぞレアルマドリードで実現しなかった点です 。

果たして、 なぜイグアインはレアルマドリードを退団してしまったのでしょう か?

イグアインがレアルマドリードを退団した理由とは?

イグアインがレアルマドリードを退団した理由は2つあると言われています。

一つはレアルマドリードのフロレンティーノ・ペレス会長が自らの手で獲得したベンゼマを寵愛し、前政権のオペレーションで獲得していたイグアインを毛嫌いしていたことだと言われています。また、ベンゼマがジダンやアンリに次ぐフランスの時代を担うスターと期待されていたのに対し、イグアインはアルゼンチン代表の同世代にメッシという不世出の怪物がいました。当然両者では世界的な知名度で雲泥の差があり、マーケットも重視するレアルマドリードで、イグアインは徐々に除け者にされていったといいます。

そしてもう一つの理由はエースのクリスティアーノ・ロナウドとの確執です。

イグアインはレアルマドリードを退団後にこのエースを痛烈に批判しています。

こちらがロナウドを批判したイグアインの言葉です。

「彼はとても傲慢だ。もし、彼のことをベストといわなければ、彼の友人にはなれない。 クリスティアーノは自分が、ベストだと考えているようだけど、彼は過大評価されている」

この言葉からもわかる通り、イグアインは人としてかなりロナウドを嫌っていました。ロナウドのレアルマドリードでの影響力は絶大に大きく、もちろん逆らえばロッカールームでの立場は苦しくなります。イグアインは理不尽な理由で不遇をかこつよりも、自由で王様になれるナポリという環境を臨んでレアルマドリードを退団したと言われています。

本日は新旧の銀河系軍団の2人のFWについてお伝えしました。レアルマドリードのベンゼマとイグアイン。2人の世代を代表するFWは結局別々の道を進むことになっています。

そして下のリンクではクラブワールドカップに参戦するレアルマドリードの来日メンバーが書かれています。この記事を読めば、レアルマドリードがどのようなメンバーや戦術で挑んでくるのかわかるでしょう.クラブワールドカップを観戦するにあたり、必読の記事となりますので、必ずクリックして読んで下さい。

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