ACミラン一筋で25年のキャリアを過ごし、キャプテンとしても10年以上の実績を持つ偉大すぎるバンディエーラ、パオロ・マルディーニ。マルディーニが本田圭佑に対して、語った評価とは?
ACミランで四半世紀の時を過ごし、ミランだけでなく、イタリアや世界から尊敬、賞賛される歴史上最高のディフェンダー、マルディーニが本田圭佑を辛辣に批判しました。その内容とは?
ACミランとイタリアが誇る偉大なキャプテン、パオロ・マルディーニ
パオロ・マルディーニはACミランだけでなく、イタリアを象徴するディフェンダーです。サポーターだけでなく、選手からも信頼と尊敬を集め、25年に及んだ長いキャリアにおいて、ACミラン以外のユニフォームを着たことは最後までありませんでした。イタリア代表でも長くキャプテンとデイフェンスリーダーを務めたマルディーニが、ACミランの後輩である本田圭佑について語りました。偉大なマルディーニが語った日本代表のエースへの評価とはどのようなものなのでしょうか?
マルディーニが日本代表のエースについて語る
2014年1月にACミランに加わった日本代表のエースですが、その実力については当初から懐疑的な論調が多かったのです。移籍金が0で獲得することができるメリットに惹かれ、また日本でのグッズ販売の収入を見越して獲得したという、ACミランが実力よりも商業的な旨みを選択したと言われていました。
そしてその批判の急先鋒にいたのが、元キャプテンのマルディーニです。当時のACミランはマッシミリアーノ・アッレグリ現ユベントス監督による政権が終わり、2014年からマルディーニと現役時代を共に過ごした元オランダ代表のクラレンス・セードルフが監督に就任しました。セードルフは現役時代にマルディーニやネスタ、シェフチェンコ、ピルロ、カカらとともに多くのACミランのタイトル獲得に貢献してきました。まさしく、黄金時代を築き上げ奥様の故郷であるブラジルのボダフォゴというチームで選手としての余生を過ごしていました。そこにACミランから監督就任の要請があり、正式にACミランの監督になったという経緯がありました。日本代表のエースの監督は本意ではなかったようですが、古巣での監督業初挑戦に挑みました。
マルディーニの批判内容とは!?
元キャプテンのマルディーニは日本代表のエースに対してこう言い放ちました。
「救世主となる実力はない。数年前ならミランのメンバーにはなれない。このリーグのレベルに到達するには数年遅かった」と、辛辣な表現で本田圭佑の能力的な限界を主張しました。さらにマルディーニは、
「FW的な要素を備えた今日的なトップ下としての能力は持っていないし、ウイングとしては言うまでもない」とさらにきつい言葉を日本代表のエースに浴びせました。

マルディーニは過去の偉人たちとの差を感じる
マルディーニは愛する古巣に加わり、背番号10番という偉大な番号を身につけるには日本代表のエースは力不足だと断じました。過去のACミランの背番号10番といえば、オランダトリオの一角でバロンドールも受賞し、マルディーニとともにプレーした、ルート・フリットがいました。そしてフリットの後はデヤン・サビチェビッチが台頭し、チャンピオンズリーグの決勝では圧倒的に不利と言われながらも、4-0でバルセロナを圧倒してみせました。サビチェビッチ自身もこの試合で1ゴール1アシストの大活躍を披露しました。その後はマルディーニやインザーギなどの既存戦力にピルロやネスタが加わったアンチェロッティ政権初期にチャンピオンズリーグを再び制覇したポルトガル代表の天才司令塔マヌエル・ルイ・コスタが現れ、チームのアタックを司っていました。
カカはマルディーニらと共に遺恨試合を制する
そして、2000年以降でもトップ下としては指折りの実力を持つカカが若くして君臨して、大きな違いになりました。カカは背番号こそ10番ではありませんが、FWに近い得点力のあるトップ下としてゴールを量産しました。イスタンブールでのチャンピオンズリーグ決勝ではマルディーニの試合開始1分の先制ゴールなどで3-0の圧倒的に優位な状況から大逆転負けを喫するという不運にも見舞われましたが、2年後の再戦では見事リバプール相手に勝利しました。カカはこの試合で1アシストを記録しています。
マルディーニと共にプレーしてきたミランの偉大なエースたち
このようにミランでエースを担った選手というのは軒並みチャンピオンズリーグ優勝などのビッグダイトルを獲得しており、ミランの黄金時代に貢献してきました。マルディーニは彼らと共にプレーしており、その違いを見てきました。そんなマルディーニには本田圭佑は過去の偉大な選手たちに比べると小粒に感じたのかもしれません。
また、当時の本田圭佑は病気を抱えているとの噂もあり、マルディーニはその点も大いに気にしているようでした。病を抱えている状態で良いプレーは出来ないと考えていたようです。
マルディーニはチーム状態も懸念
そして、マルディーニはなかなかチーム状態が上がらないことも本田圭佑が本来のパフォーマンスを発揮できない原因だろうと考えていました。確かに当時のACミランは模範となるリーダーが不在でした。リーダー格のブラジル代表DFチアゴ・シルバやスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチがパリサンジェルマンに移籍しており、攻守両面の精神支柱を欠き、また戦力的にも不安定になりました。マルディーニは偉大な選手がACミランというチームの一員であることを深く理解し、全力を尽くしてきたのが、このチームの強さだと感じており、現在のACミランは自分の年俸のことばかり考えている選手がいると、本田圭佑のみならずACミラン全体を痛烈に批判していました。日本代表のエースが加わったチームはそんな惨状だったのです。元キャプテンのマルディーニとしては古巣の絶望的な状態に傷ついていていたのでしょう。
ACミランでの2シーズン目を迎えた本田圭佑に対してマルディーニの見解は
日本代表のエースの1年目はリーグ戦で8位に終わり、チャンピオンズリーグの出場権はおろか、UEFAカップの出場権さえも逃したACミランはセードルフ監督を解任し、元ACミランFWのフィリッポ・インザーギを招聘しました。このインザーギもマルディーニと共にプレーしており、チャンピオンズリーグの決勝では2ゴールを決めて優勝に貢献しました。ACミラン首脳陣は最高峰の舞台での経験が豊富で引退までを過ごしたACミランへの愛情が深いインザーギを招聘し、チームに忠誠心を植え付けようと試みました。
インザーギ新監督のもとACミランは絶好調!
新しくマルディーニの元チームメイトのインザーギ新監督招聘したACミランは2013-2014シーズンの序盤から連勝を重ねました。特に本田圭佑の調子は素晴らしく、6試合連続でゴールを決めるという離れ業をやってのけました。ACミランのサポーターは完全に日本代表のエースを救世主と崇めました。インザーギ監督も絶好調の日本代表のエースに全幅の信頼を与え、出場機会を与え続けました。
大活躍も日本代表のエースへのマルディーニの評価は変わらず…
主にフランス人FWジェレミー・メネズやイタリア代表FWステファン・エル・シャーラウィと前線でトリオを組んだ本田圭佑。インザーギ率いるミランで抜群の存在感を放ちましたが、マルディーニの評価を覆すことはできませんでした。マルディーニの言葉によると、「模範的ではあるがリーダーではない」と日本代表のエースを評価しました。そしてマルディーニは、開幕から絶好調のスタートを切ったものの、ACミランの技術的な限界は明らかで、日本代表のエースに関してもかつてのACミランであれば加入することすら不可能と言い放ちました。マルディーニによると例えば元イタリア代表のダニエレ・デ・ロッシ・ボネーラは優秀な人材だが、かつてACミランの最終ラインを束ねてみせたアレッサンドロ・ネスタには遠く及ばず、日本代表のエースに関しても、カカやボバン、サビチェビッチなどと比べるとタレント力が違うと評価しました。ピッチ内外での冷静で真面目な振る舞いから、模範にはなれるが、試合を決められるようなリーダーシップは持ち合わせていないというのが、マルディーニによる本田圭佑に対する評価です。

インザーギやメネズなどの本田圭佑評価
マルディーニによる厳しい裁断を受けた日本代表のエースですが、チームメイトからは軒並み良い評価を得ていました。特にメネズは常に真剣に練習に取り組む真面目な態度やどんなに相手に削られても冷静さを失わない冷静さを賞賛していました。一方、マルディーニに似た立場を取ったのがインザーギで日本代表のエースの練習に取り組む姿勢は素晴らしいが、チームを引っ張るようなリーダーシップには欠けると評価しました。
インザーギ政権は徐々に勢いを落として…
厳しい戦力ながら、手厳しいマルディーニにも一定の評価を得ていたインザーギ率いるACミランですが、徐々にシーズン序盤の勢いを失っていきました。結局2014ー2015シーズンは10位という昨シーズン以下の成績に落ち込んでしまいました。インザーギ政権末期はチームの足並みも整わず、闘志も見せられずと結果・内容ともに散々なものになってしまいました。最終的にはインザーギもお手上げ状態で、オランダ代表MFナイジェル・デヨングなどはチームメイトの目の前でインザーギを糾弾するなど、求心力すらも失っていたとのことです。ちなみにこの一件でデヨングは契約満了に合わせて退団という運びになる予定でしたが、インザーギが解任され、デヨングがミハイロビッチ新監督に一定の評価を受けていたことなどもあり、残留することになりました。いずれにせよ、マルディーニやガットゥーゾなどのリーダー格がチームを束ね、アンチェロッティが率いていた当時のACミランにはあり得ない事件が起こりました。
日本代表のエースがACミランに相応しくないと批判するOBたち
マルディーニの他にも、日本代表のエースがACミラン、そして背番号10番に相応しくないと主張するOBたちがいます。マルディーニとはACミランの最終ラインで長く共にプレーしたコスタクルタも日本代表のエースがACミランに加入し、背番号10番をまとっているとこに関して反対の立場を取っています。日本代表のエースにはクオリティが足りず、背番号10番を与えられたのは技術的な視点とは趣が違うと主張しました。そして、元クロアチア代表のズボニミール・ボバンも本田圭佑は到底過去のACミランの背番号10番には及ばないと主張していました。
一方で番犬の評価は?
一方でマルディーニらと共にアンチェロッティ政権の黄金期を戦ってきた元イタリア代表MFジェンナーロ・ガットゥーゾは日本代表のエースを評価を定めるにはまだ早計すぎると主張しています。
しばらく様子を見てから評価しようという、マルディーニやコスタクルタ、ボバンとは異なる立場にたっていました。エリート街道を突っ走ってきたマルディーニらとは違い、下部リーグやスコットランドリーグなどの華やかではない道を歩み、ACミランに到達した遅咲きのガットゥーゾらしい見解です。
今日の総括~マルディーニによる本田圭佑批判~
本日はマルディーニによる本田圭佑批判についてお伝えしました。マルディーニによると日本代表のエースは過去のACミランでは加入することすらできず、加入することができたのはACミランが弱体化したことによるものだと主張しました。親子三代でACミラン一筋のマルディーニ家にとってACミランへの愛情は人一倍強く、それが本田圭佑批判につながったのかもしれませんが、一方でACミランの生き字引的存在であるマルディーニは多くの選手を見てきたこともあり、説得力があることも確かです。日本代表のエースはマルディーニをはじめとするアンチからの批判を跳ね返すことができるのでしょうか?一説によると来冬、来夏の移籍が規定路線とも言われていますが…本田圭佑の去就は日本代表の未来にも大きな影響を与えます。日本代表のエースの去就に注目していきましょう!
本日はこれでおしまいです☆さようなら~☆★
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