香川真司、リバプールと接近遭遇!

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サッカーの神様のいたずらでしょうか?香川真司所属のドルトムントがイングランド・プレミアリーグの強豪リバプールとヨーロッパリーグで対戦することが決まりました。

恐らく多くの人々がご存知かと思いますが、リバプールには昨シーズンまでドルトムントを率いたユルゲン・クロップが監督を務めています。果たしてこのドルトムントとリバプールの世紀の一戦の勝者はどちらになるのでしょうか?

多くの強豪がひしめきあうヨーロッパリーグ

今シーズンのヨーロッパリーグは世界でも有数の強豪がひしめき合っています。ドルトムントとリバプールの他にも、マンチェスターユナイテッド、トッテナム、ナポリ、マルセイユ、ビジャレアル、ラツィオ、シャルケ、セビージャなどです。マンチェスターユナイテッドとセビージャはチャンピオンズリーグのグループリーグで3位になったため、ノックアウトステージに進出できず、ヨーロッパリーグに参戦することになりました。

そのため、ヨーロッパリーグは近年稀に見るほどにビッククラブたちが顔を揃えました。そして、ついにベスト8が出揃ったこのヨーロッパリーグで、香川真司のドルトムントとリバプールがベスト4の座を巡って争うことになりました。

ドルトムントとリバプールの戦い

ドルトムントは決勝トーナメント一回戦(ベスト32)で、ポルトガルの強豪、ポルトと対戦しました。ホームでの初戦で2-0と勝利していたドルトムントはアウェーでも1-0と勝利しました。ポルトにはスペイン代表GKのイケル・カシージャスがいましたが、よいところなく、ドルトムントに葬られています。

そしてドルトムントは二回戦(ベスト16)で、イングランドのトッテナムと激突しました。しかし、トッテナムはプレミアリーグで二位につけており、勝ち点5差で首位を走るレスターを追いかけていました。そのため、ヨーロッパリーグは完全に省エネモードで戦わざるを得ない状況となっていました。ホームでの初戦で3-0と快勝したドルトムントは、アウェーでも2-1で勝利、プレミアリーグの強豪に大差で勝利しています。

一方のリバプールは一回戦でドイツのアウクスブルグと対戦し、ホームでの第二戦で奪った1点で二回戦に駒を進めました。アウクスブルクは組織的に非常によくまとまった好チームですが、さすがに国際大会での経験でリバプールよりも大きく劣っており、善戦しましたが、惜しくも敗退となりました。

そして、二回戦では今シーズンのヨーロッパリーグの随一のビッグマッチであるマンチェスター・ユナイテッドとのナショナルダービーが実現しました。しかし、ファン・ハール監督の下で低迷を続けているマンチェスター・ユナイテッドはリバプールに手も足も出ず、二試合合計3-1で国際舞台から姿を消しました。

ドルトムントとリバプールを巡る運命

現在リバプールを率いているのは、前ドルトムント監督のクロップです。クロップは2008年にドルトムントの監督に就任し、それから若い選手を積極的に起用し、独自の戦術をこのルール地方の強豪に植え付けることに成功しました。それはドルトムントの代名詞ともいえる「ゲーゲンプレス」戦術です。このプレッシング戦術は相手ゴールに近い位置で激しいプレッシングをかけてボールを奪い、そしてショートカウンターでゴールを狙うというものです。この戦術はドイツだけでなく、欧州でも猛威を振るいました。ドイツの盟主バイエルンだけでなく、レアル・マドリーなどもその猛烈なカウンターの餌食になりました。クロップはこのドルトムントの黄金時代を作り上げた名将として、いまだにドルトムントのサポーターたちから崇められています。

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香川真司はこのクロップ監督が目をつけてドルトムントに移籍させた選手でした。クロップが率いたドルトムントで、香川真司は中心的な存在になりました。素早いパスワークで相手ゴール前を侵攻し、移籍初年度で8ゴールという望外な結果を残しました。クロップの教示を受けた二年間で香川真司の選手としての評価は大きく上昇しました。そして。この活躍がマンチェスター・ユナイテッドへの移籍へとつながったのです。

しかし、現在クロップはリバプールを率いています。昨シーズン終了後にドルトムントの監督を退任したクロップは、あえて浪人生活を送り、充電に企てていました。実際はマンチェスター・ユナイテッドから監督就任の打診があったという噂もあります。しかし、サッカーをこよなく愛するクロップはその誘惑に勝てませんでした。ブレンダン・ロジャース監督のもとで不調に陥っていたリバプールがこのスコットランド人監督を解任しました。そしてリバプールが後任に選んだのはクロップでした。

クロップが監督に就任したリバプールは、その後上昇気流に乗りました。クロップが得意とする激しいプレスをチームがなんとか吸収し、不安定ながら激しい試合を次々とものにしていきました。また、ブラジル代表MFフィリッペ・コウチーニョの活躍も素晴らしく、飛びぬけたストライカーが不在のリバプールの前線で、得点源として覚醒を始めました。また、クロップの戦術に合わないといわれており、クロップがリバプールの監督に就任したこと、放出候補の一人といわれていたイングランド代表MFアダム・ララーナも「クロップのためなら全力を尽くす」と発言し、リバプールで重要な存在となっています。クロップは就任して数ヶ月ですっかりリバプールの選手たちの心を鷲づかみにしてしまいました。

中でもクロップとリバプールの選手たちの絆の深さを感じたのがノーリッジとの試合です。前半早々にブラジル代表FWロベルト・フィルミーののゴールで先制したリバプールですが、その後あっという間に三失点。一転苦境に立たされます。その後、ジェラードから腕章を譲り受けたリバプールの新主将ジョーダン・ヘンダーソンがゴールを決めると、フィルミーノのゴールで同点に追いつきます。これで終わらないのが、クロップのリバプールで、さらに聴衆をやきもきさせます。カメルーン代表DFセバスティアン・バソングのゴールで勝ち越されてしまいましたが、その後ノーリッジDFがまさかのバックパスをミス。これをイングランド代表MFジェームズ・ミルナーが決めて同点に追いつくと、ロスタイムにはララーナが逆転ゴールを決めて勝利を手繰り寄せました。このあまりに劇的な勝利に大興奮のリバプールイレブン。

ララーナのゴールが決まったあとは興奮のるつぼでした。リバプールの選手たちと一緒にはしゃぐクロップ。このとき、クロップ愛用のメガネが破壊されたそうです(笑)この動画でいかにリバプールの選手たちがクロップを愛しているかわかりました。

リバプールはヨーロッパリーグで頂点を狙うメリットが

絶不調だったロジャース時代から立ち直った感があるリバプールですが、いまだにリーグ戦は9位です。チャンピオンズリーグに出場できる4位以内に入るには勝ち点差が7もあります。不可能ではないですが、かなり難しいミッションといえるでしょう。

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そんなリバプールにはヨーロッパリーグで頂点を狙う非常に大きな理由があります。昨シーズンからヨーロッパリーグの優勝チームにはチャンピオンズリーグの出場権が与えられるようになったからです。来シーズンのチャンピオンズリーグに出場するには、リーグ戦での逆転を狙うより、ヨーロッパリーグを制する方がはるかに現実的と言えるでしょう。クロップ率いるリバプールはヨーロッパリーグで頂点を狙うための大きな理由があるのです。

一方で香川真司のドルトムントは・・・

一方で香川真司のドルトムントはリバプール戦で勝利を狙うのかは非常に微妙なところです。ブンデスリーガではすでに二位以上を確定させており、来シーズンのチャンピオンズリーグへの出場はほぼ確実となったからです。また、終盤戦に差し掛かったブンデスリーガでは独走状態だった王者バイエルンがここにきてやや失速し、ドルトムントとの勝ち点が5まで縮まっています。

バイエルンはチャンピオンズリーグでベスト8まで勝ち残っており、今後さらなる消耗が見込まれています。現実に、実力差があるように言われていたユベントスとの決勝トーナメント一回戦でも大苦戦。なんとか延長戦のゴールでこのイタリアの雄を下しています。また、けが人が非常に多い点もバイエルンの不安要素です。

この隙にドルトムントはバイエルンを追い越そうとブンデスリーガに注力するか、判断が非常に難しい状況です。

香川真司は恩師との再会

香川真司は思わぬ形で恩師との再会を果たすことになりました。このヨーロッパリーグ準々決勝は第一試合が4月7日、ドルトムントのホーム、ジグナル・イトゥナ・パークで行われます。クロップにとってはドルトムントの監督退任以降、初めてこのスタジアムを訪れることになりました。そして、第二戦はリバプールのホーム、アンフィールドです。

香川真司は恩師との再会に何を思うのでしょうか?香川真司がマンチェスター・ユナイテッドで監督に評価されず燻っているときに、香川真司の奪還を望んでくれたのはクロップでした。また、前述のように選手として、欧州での足がかりとなる移籍を実現させたのもこの陽気なドイツ人だったのです。クロップがドルトムントの監督だった最後のシーズンには確執も噂されましたが、それでもクロップに対して香川真司が恩義を感じているのは間違いありません。香川真司はリバプール戦に何を思うのでしょうか?

また、リバプールは香川真司の移籍が噂されるチームでもあります。それはクロップが監督を務めており、自分が標榜する戦術を実現するために香川真司をリバプールに呼び寄せたいと考えていると言われています。この移籍が本当に実現するかは定かではありません。リバプールは香川真司が過去に在籍したマンチェスター・ユナイテッドの永遠のライバルだからです。マンチェスター・ユナイテッドとリバプールの両方に所属した選手は過去に元イングランド代表FWマイケル・オーウェンしかいません。この俊足のFWはリバプールのシンボル的な存在でしたが、マンチェスター・ユナイテッドに在籍したことで、現在はリバプールのサポーターから「裏切り者」として扱われています。マンチェスター・ユナイテッドのサポーターは未だに香川真司の才能を生かしきれなかったことを悔やんでおり、在籍時にも香川真司に対して弛まぬ愛情を注いでいました。そのことを恩義に感じている香川真司が、リバプール移籍という選択をするのでしょうか?

総括~香川真司、リバプールと接近遭遇~

本日は香川真司とリバプールの対決についてお伝えしました。香川真司が所属するドルトムントは現在ヨーロッパリーグ、ブンデスリーガで共に絶好調です。また、香川真司自身も先日の日本代表でビューティフルゴールを決めるなど、印象的な働きを見せています。この好調をドルトムントにも持ち込めるのでしょうか?ドルトムントでは最近やや調子を落としており、ベンチ外になる試合もありました。このリバプールとの運命的な一戦でドルトムントにおける立場も上昇させたい香川真司の活躍から目が離せません。本日は香川真司とリバプールの対決についてお伝えしました。

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