9月20日、2017年の天皇杯4回戦が行われます。
この試合に勝利することでベスト8進出が決定し、ようやく元日決戦が見えてきます。
そして、この天皇杯4回戦最大のカードが…
鹿島アントラーズと浦和レッズの一戦です。
そう、この鹿島アントラーズと浦和レッズは5月4日のJリーグの試合で深い因縁を残したチーム同士の戦いとなります。
その主役となっているのが、鹿島アントラーズの小笠原満男と浦和レッズの森脇良太なのです。
鹿島アントラーズの小笠原満男と浦和レッズの森脇良太の間に何が起こったのか?
そして、この天皇杯での一戦で因縁に決着が着くのでしょうか?
天皇杯4回戦!因縁のクラブが激突!
2017年の天皇杯4回戦で鹿島アントラーズと浦和レッズが激突します。
この戦いは、5月4日のJリーグの試合である発言を巡り、深い遺恨を残した両チームです。
その発言とは…
森脇良太のレオ・シルバへの差別発言です。
この森脇良太の発言により、鹿島アントラーズのキャプテン小笠原満男と激しく口論になり、乱闘寸前の事態に。
重く見たJFAが解決に乗り出すべく、小笠原満男、レオ・シルバ、森脇良太の三人に事情聴取を行っています。
結果的にJFAが森脇良太に下した処分は非常に寛大で、不可解な結末を迎えました。
この出来事の裏側には何があったのか、振り返って見ましょう…
小笠原満男、森脇良太の間に遺恨!何があったのか…?
5月4日に行われたJリーグ第10節、浦和レッズVS鹿島アントラーズ。
2016年のJリーグチャンピオンを争った2チームの直接対決となりました。
この試合で問題が起きたのは、後半33分のことでした。
浦和の選手が自陣左コーナースポット付近でボールをキープ。
それを奪回しようと鹿島アントラーズの土居聖真と競り合いになりました。
浦和レッズの興梠慎三がサポートサポートにいきましたが、その前に鹿島アントラーズ側がファールを取られて、審判は浦和レッズボールのジャッジを行います。
事の発端となったのが、この後の興梠慎三のアクションです。
土居を突き飛ばしたことに、鹿島アントラーズ側が抗議し、両チームの選手同士がもみ合う乱闘寸前の事態に。
その乱闘の中にいたのが、小笠原満男とレオ・シルバ、そして森脇良太だったのです。
審判や周りで見ていた選手が諍いを納めていく中で、中々口論をやめない一角があり、それが小笠原満男と森脇良太でした…
小笠原満男は森脇良太がレオ・シルバに対して、『口が臭い』と発言したことに対して、強い憤りを感じていたようです。
その場は森脇良太のイエローカードが提示されただけで納まりましたが、小笠原満男の主張が正しければ森脇良太の発言は差別発言ともとらえられかねない重大な出来事でした。

そして、JFAによる鹿島アントラーズの小笠原満男と浦和レッズの森脇良太への事情聴取が行われました。
小笠原満男の主張!森脇良太は差別発言をした!
浦和レッズと鹿島アントラーズの間に起こった乱闘寸前の諍い。
大きな波紋を呼んだこの諍いにおける小笠原満男の主張はこうです。
森脇良太がレオ・シルバに対して『お前、くせえな』と発言した。
小笠原満男は味方のレオ・シルバに対して侮辱的かつ差別的な発言をしたことに対して激怒し、厳罰を主張したのです。
加えて、森脇良太に関してはレオ・シルバが接近してきたときに、鼻を手で覆うような仕草もしています。
対象がなんであれ、森脇良太が小笠原満男かレオ・シルバに対してネガティブな発言をしたことだけは間違いなさそうです。
さらに、小笠原満男の主張を付け加えると、森脇良太は恒常的にこの手の差別に近い発言をしているということです。
次は森脇良太の主張をチェックしてみましょう…
森脇良太の主張!発言の矛先は小笠原満男だった!?
この出来事に関する森脇良太の主張はこうです。
小笠原選手の唾が散ってきたので、『口が臭いんだよ』と発言した。
森脇良太の主張通り、『臭い』と発言をした対象が小笠原満男であるなら、正しいことではありませんが、差別ということにはならないでしょう。
しかし、それでは例えば鼻を手で覆ったりという行為に対する説明がつきません。
本当に森脇良太はレオ・シルバに対して差別発言を行ったのでしょうか?
このときの状況をひとつひとつ精査してみましょう…
小笠原満男、レオ・シルバ、森脇良太三者の現場検証!
まず、興梠慎三が土居を倒したことによって、両チームがコーナーフラッグ付近に近寄ってきます。
既に現場にはレオ・シルバも到着しており、その後方からまずは森脇良太が走って駆けつけ、レオ・シルバの左脇に陣取ります。
この直後、小笠原満男も現場に到着。
森脇良太には目もくれずに主審に対して興梠慎三が土居を押し倒した現場を指し示して、プレーが切れた後に興梠慎三が土居を押したのではないかという主張を行ったと思われます。
その直後、レオ・シルバと森脇良太が顔をかなり近づけて、口論になります。
すると、その流れで小笠原満男と森脇良太が口論を始めたのです。
土居と興梠慎三のファールの場面では完全なる部外者の森脇良太がレオ・シルバを口撃するのは整合性がありません。
一方でレオ・シルバに対する森脇良太の発言が小笠原満男に怒りを買ったのは整合性があるように感じます。
レオ・シルバも浦和レッズのGK西川周作に抑えられてかなり怒りを感じているのが伺えます。
ただし、レオ・シルバと森脇良太が再接近した場面では主審もそのすぐ横にいたのです。
森脇良太の角度からはその主審の姿を捉えており、下手をすればレッドカードをとられかねない、危険な発言をわざわざするか?という疑問もあります。
いずれにしても『臭い』という発言をしたことは双方が認めています。
処分の重さはその発言の対象ということになります。

小笠原満男と森脇良太の主張を受け、JFAはいかなる判断をしたのか?
浦和レッズと鹿島アントラーズの試合から5日がたった、5月9日Jリーグの規律委員会は浦和レッズの森脇良太に対する処分を発表しました。
処分の内容は2試合の出場停止。
内容は差別発言ではなく、鹿島アントラーズの選手を侮辱したからだ、というものです。
恐らく、人々が考えていたよりもかなり軽い処分が下されました。
この処分に対して、浦和レッズの森脇良太は記者会見で反省の言葉を口にしています。
「本日、メディアのみなさまにもこうしてお集まりいただくことにもなってしまって、まずは迷惑をかけてしまって申し訳ないと、みなさまにお詫びをしたいと思います。申し訳ありませんでした。
本日、規律委員会から裁定が出まして、自分の発言が不適切だったということで、2試合の出場停止という処分を受けました。実際に、僕の試合中での発言が不適切だったと思っております。そのことで多くの方に迷惑をかけてしまったということに対して、心から、謝罪をしなければいけないと思っております。
それは、僕を応援してくださる方や、浦和レッズを応援してくださる方、あとは、サッカーが本当に好きで、他のチームを応援してくださっている方、また、鹿島アントラーズのみなさん、そして試合の中で熱くなってしまって、小笠原選手とレオ シルバ選手に不快な思いをさせてしまったこと、サッカーを愛する日本のサッカーファンのみなさんに不快な思いをさせてしまったことに対して、心から、反省をしております。申し訳ありませんでした。
僕自身、このようなことがないように、今後はしっかり襟を正して行動、言動をとっていかなければいけないと思っています。ただ、それと同時に、今回の件で自分自身が発言したことに対して、差別的な発言、言動、行動、そのようなことはなかったと、謝罪することと同じくらい、みなさんに伝えていきたいです。もしかしたら『差別の森脇だ』と世間では理解
されているかもしれないですし、その中で『理解してください』というのは、もしかしたら難しいかもしれないですけど、そういう発言、言動、行動はなかったということを、みなさんに理解いただければ、と思っています。
これから自分自身、やってきたことを反省し、またピッチの上で活躍し、子供たちに夢を与えていけるように、がんばっていきたいと思っています。
今回の件について、本当に深く反省しております」
そして、この処分がかなり寛大だと感じたのか、その場である記者から厳しい追求が飛びました。
(自身の立場からすると、今回の処分に納得いかない部分があるのではないかと思ったが、今回の説明を聞いた上で、妥当な処分だと思うか?)
「処分が妥当かどうかを自分で解釈する前に、自分自身が試合中に起こした行動を、最初に改めて考えなくてはいけない部分だと思います。自分が気持ちを抑えられずにカッカとなったことによって、どれだけの人に迷惑をかけたのか、そこをまずは考えるべきじゃないか、僕自身、反省すべきポイントじゃないかと思っています。今回は処分が2試合と出ましたけど、その処分は、僕にとって大きくは関係なかったというか、まず反省するところは、そこに目を向けるべきではないのではないかと思っていました。処分に関しては、『ああ、その処分が下ったんだな』という、素直な気持ちだけでした。裁定が下るまでは、自分が起こしてしまった行動を常に考えていたところもあるので、そっちの方に自分自身、気持ちがいっぱいいっぱいになっていたというのは、事実です」
いずれにしても、この浦和レッズと鹿島アントラーズの戦いで森脇良太は人としての信頼を失いました。
アウェーでは激しいブーイングが飛び、相手チームの目の敵にされ、メディアが面白おかしく書く対象となっている感があります。
鹿島アントラーズとの一件以外にも相手を過剰に挑発したりと問題行動が多かった中で、軽すぎたとはいえ森脇良太に対しては処分が下されました。
この一件を鹿島アントラーズと浦和レッズのどちらが毒とするか薬とするかはわかりません。
現時点では鹿島アントラーズはJリーグのタイトルを、そして浦和レッズはAFCのタイトルに明らかなプライオリティを置いているように見えます。
ただ、この試合の浦和レッズと鹿島アントラーズの試合の勝者は、ただ天皇杯の準々決勝に進む以外の何かが手に入るようなするのは、筆者だけでしょうか…
浦和レッズはベストの11人を送り込んではこないでしょう。
来週にはアジアチャンピオンズリーグの上海上港戦が控えており、中位に沈んでいるJリーグでの挽回も目指さなければならないからです。
対する鹿島アントラーズは石井監督の解任を乗り越えて、再び上昇気流に乗りつつあります。
浦和レッズが力をセーブするとなれば、もはやこの王者には相手にならないかもしれません。
常勝軍団鹿島アントラーズにとってJリーグのタイトル一冠だけではあまりにも寂しすぎます。
間違いなく浦和レッズを倒すつもりで試合に臨むでしょう…
今回は鹿島アントラーズの小笠原満男と浦和レッズの森脇良太の騒動についてお伝えしました。
そして、下のリンクでは鹿島アントラーズの小笠原満男に関する不穏な噂について検証しています。

サポーターに対して非常に冷淡な態度をとるといわれている小笠原満男とはどのような男なのでしょうか?
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