2008年から2012年までのスペイン代表は歴史上最も栄光に包まれた最強の代表チームだったと言われています。
なぜなら、2008年のヨーロッパ選手権、2010年南アフリカワールドカップ、そして2012年のヨーロッパ選手権という3つの国際大会を立て続けに制覇したチームは歴史上スペイン代表以外に存在しないからです。
しかし、一方で
スペイン代表の歴代キャプテンは、決して幸運な役割ではありませんでした。
それは3連覇を成し遂げたキャプテンでさえも例外ではありません…
今回はスペイン代表歴代キャプテンの悲劇的な結末についてお伝えしましょう。
彼らがスペイン代表歴代キャプテン!
まずはスペイン代表の歴代のキャプテンを若い新しい順に振り返っていきましょう。
セルヒオ・ラモス(レアルマドリード)
生年月日:1986年3月30日
ポジション:DF
主な所属クラブ:レアルマドリード、セビージャ
キャプテン在任期間:2016年6月~
イケル・カシージャス(ポルト)
生年月日:1980年5月20日
ポジション:GK
主な所属クラブ:レアルマドリード
キャプテン在任期間:2006年6月~2016年6月
ラウール・ゴンザレス(引退)
生年月日:1977年6月27日
ポジション:FW
主な所属クラブ:レアルマドリード、シャルケ
キャプテン在任期間:2002年6月~2006年6月
フェルナンド・イエロ(引退)
生年月日:1968年3月23日
ポジション:DF/MF
主な所属クラブ:レアルマドリード、ボルトン
キャプテン在任期間:1998年6月~2002年6月
アンドニ・スビサレータ(引退)
生年月日:1961年10月23日
ポジション:GK
主な所属クラブ:バルセロナ、アスレティック・ビルバオ
キャプテン在任期間:1994年6月~1998年6月
こちらがここ20年ほどのスペイン代表の歴代キャプテンです。
スペイン代表だけではなく、クラブチームでもキャプテンを務めた、非常に豪華な実力者たちです。
この歴代キャプテンたちの系譜をついているのが、現キャプテンのセルヒオ・ラモス。
スペイン代表は年長者ではなく、もっとも代表キャップ数が多い選手に腕章が託されるという伝統があります。
現在のスペインにはセルヒオ・ラモスよりも年上のアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)や、ナチョ・モンレアル(アーセナル)、ホセ・マヌエル・レイナ(ナポリ)がおりますが、歴代キャプテンにならって、セルヒオ・ラモスがキャプテンを託されています。
それは、ミチェル・サルガド(1975年生まれ)やイバン・エルゲラ(1975年生まれ)を擁していた時代のラウール・ゴンザレスも同じです。
しかし、このスペイン代表の歴代キャプテンを振り返ってみても、美しく代表チームを去ることが出来た選手というのは誰もいません。
ここからは歴代スペイン代表キャプテンの悲劇的な最後をお伝えしましょう…
歴代スペイン代表キャプテン悲劇の最後ケース①アンドニ・スビサレータ
スペイン代表はもちろん、バルセロナでは正守護神として活躍しドリームチームのメンバーの一人でもあったスビサレータ。
1990年代初頭からスペイン代表ではキャプテンを務めて、スペイン代表の歴代GKの中でも屈指の名手です。

イエロ、カシージャス、ラウール、セルヒオ・ラモスなどと違い、「バルセロナ派」では珍しくスペイン代表のキャプテンを任されました。
36歳で迎えたスビサレータにとっては最後のワールドカップとなるであろうフランス大会の初戦ナイジェリア戦。
スビサレータは代表生活の集大成となるこの大会でいきなりキックミスを犯し、大逆転負けを喫してしまいます。
ナイジェリア代表サンディ・オリセーが決めた強烈なシュートは、このフランス大会のハイライトの一つとして未だに語り継がれています。
結局、スビサレータは初戦のミスによりベンチに降格、それ以降はサンチャゴ・カニサレスや若き日のイケル・カシージャスがゴールマウスに立っています。
そして、このときスペイン代表から勝利をもぎ取ったナイジェリア代表のメンバーが大きく羽ばたいていったのは、皮肉でした。
ゴールを決めたオリセー(ドルトムント)、左サイドバックのババヤロ(チェルシー)、ファンタジスタのオコチャ(ボルトン)などがこの大会を機に有力クラブへステップアップしています。
歴代スペイン代表キャプテン悲劇の最後ケース②フェルナンド・イエロ
そのスビサレータからキャプテンマークを継承したのが、「機関車」の異名をとったフェルナンド・イエロです。
歴代スペイン代表のキャプテン中でも抜群の存在感を見せていました。
守備的MFとセンターバックを兼務しながらチームの緊急事態に対応し、自分にも周囲にも厳しい態度で接して信頼をつかんでいました。
そして、私達日本人にとっては未だに記憶に新しい2002年の日韓ワールドカップ。
この大会はイエロにとって代表キャリアの最後を飾る大会のはずでした。
グループリーグでパラグアイ、アイルランドを封じ込めて進出した準々決勝。
スペイン代表にとっては悲劇としか言いようのない「あの試合」です…
サッカー史に残る最悪の悲劇!歴代W杯最低の大会と言われる所以!
「あの試合」の相手とは…
韓国です!
この2002年大会をホスト国として迎えていた韓国は、大方の予想を覆してベスト8まで進出し、スペイン代表と対戦することになりました。
躍進著しいとはいえ、相手が「無敵艦隊」スペインであれば、韓国もひとたまりもない…
誰もがそう思っていました…
しかし、韓国は審判のミスジャッジの恩恵を受けて、激しいファールが悉く見逃されました。
前半、スペイン代表はゴールを決めますが、なぜかこれはファールにより取り消しに。
ちなみにこのファールは誰が何をしてのものなのか、明かされてすらいません。
スペイン代表のメンバーはこの疑惑の判定に説明を求めましたが、審判は回答を拒否したと言われています…
スペイン代表は延長戦でホアキン・サンチェスのクロスをルベン・バラハが頭で叩き込みましたが、そのホアキンのクロスがゴールラインを割っていたという判定でノーゴールに。
ビデオで確認したところ、この時ボールは完全にラインの内側にありました。
そして、スペイン代表はこの試合をPK戦により落としています。
この時点でイエロの戦いは終わりを告げました…
イエロとはレアルマドリードでコンビを組んでいたイバン・エルゲラの言葉がこの試合の理不尽さを物語っています。
「この先二度とサッカーが出来なくなってもいい!だからあいつらを殴らせろ!」
この2002年ワールドカップは歴代最低の大会として人々から認知されています。
その理由が、過度な開催国贔屓だったことはいうまでもありません…
歴代スペイン代表キャプテン悲劇の最後ケース③ラウール・ゴンザレス
悲劇の2002年ワールドカップを乗りこえて新たな船出を迎えた無敵艦隊。
このチームのキャプテンを任されたのが、スペイン代表歴代最高のストライカーと評されるラウール・ゴンザレスです。
ラウールは寡黙な選手でしたが、ここぞという場面でゴールをあげてチームから信頼されるキャプテンとなりました。
ラウールの起用はスペイン代表のもてるタレントを有効活用するのに、弊害ともなっていました。
ラウールをトップ下で起用するならファン・カルレス・バレロンがベンチに座らなければならないし、2トップを採用するならそもそも持ち場がなくなる、2トップの後方にトップ下を置けば万事解決と思いきやホアキン・サンチェスやビセンテ・ロドリゲスのポジションがなくなるし、なによりも攻守のバランスが崩壊すると、議論されました。
結局はスペイン代表の前線のタレントの供給過多という問題があったのですが、カマーチョ監督が彼らもてるタレントを処理しきれなかったという問題にラウール自身も振り回されました。
結局、2006年のワールドカップではベンチウォーマーとして大会を終え、チームからの引退を宣言することなく、ルイス・アラゴネス政権下(2006年7月~)では一度もスペイン代表から声がかかることはありませんでした。
歴代スペイン代表キャプテン悲劇の最後ケース④イケル・カシージャス
そのラウールの後釜として腕章を巻いたのが、カシージャスです。
カシージャスは歴代スペイン代表どころではなく、世界中の代表チームの中でもっとも優れ、成功したチームのキャプテンだったといえるでしょう。
それは2008年と2012年のヨーロッパ選手権、2010年南アフリカワールドカップを3連覇したからです。
過去にはジダン擁するフランス代表が1998年のワールドカップと2000年のユーロを連覇しましたが、この時のスペイン代表はこの記録を塗り替えています。
歴代もっとも成功した代表チーム。
当時のスペイン代表はそう評することができるでしょうし、カシージャスはそのすべての大会でキャプテンとして一番最初にトロフィーを掲げました。
特に印象的だったのは、2010年の南アフリカワールドカップを制した後の、カシージャスのインタビューです…
オランダとの決勝に勝利し歴代6国目の世界王者となったスペイン代表。
カシージャスは当時事実婚状態だったサラ・カルボネロさんからインタビューを受けていました。
インタビューが進むにつれて、感極まったのか、カルボネロさんに口づけをした場面は世界中に感動を与えました。
しかし、旗色が変わり始めたのが2014年のブラジルワールドカップです…
いかにして、スペインは栄光の時代を終えたのか?
スペインはグループリーグでオランダ、チリ、オーストラリアと同居。
そして2010年大会の決勝と同じカードであるオランダとの初戦でまさかの4-1という悲劇的なスコアで大敗を喫しました。
第2戦ではチリにも破れあっさりと終戦。
前回王者がグループリーグで敗退するという悲劇に見舞われています。
この大会ではカシージャス自身のパフォーマンスも安定せず、不用意な飛び出しでチームを危機に晒しました。
奇跡的なパフォーマンスでチームを窮地からすくって見せた2010年大会とは雲泥の差でした。
この頃から、カシージャスの評価は急落。
スペイン代表でも正守護神にふさわしくないのではないかと囁かれ始め、ユーロ2016の直前にマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアにレギュラーの座を明け渡しています。
ちなみにカシージャスはスペイン代表として167試合に出場。
この記録は当然歴代1位で、GKというポジションの特性上、今後抜かれる可能性も非常に低いでしょう。
カシージャスの歴代最多キャップ数を塗り替えるとしたら、現キャプテンのセルヒオ・ラモス(145キャップ)です。
ご覧頂いたように歴代スペイン代表のキャプテンは誰もが万来の拍手で送り出されたわけではありません。
例えば、ドイツのフィリップ・ラームがワールドカップのタイトルを置き土産にチームを退くような去り方を彼らは見せることができませんでした。
しかし、これこそが勝負の世界の厳しさなのかもしれませんが…
そして、現在のスペイン代表は再び復権に向けて動き出しています。
目標は残り1年をきったロシアワールドカップでの優勝です。
大会開幕時に32歳になるセルヒオ・ラモスにとっては恐らく最後のワールドカップとなるでしょう。
セルヒオ・ラモスは歴代の先達と異なり、素晴らしい代表生活のフィナーレを迎えることができるのでしょうか?
今回は歴代スペイン代表のキャプテンについてお伝えしました。
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