正直なところ、この記事は誰が見てもわかるものではないし、一部の戦術に詳しい、日本のサッカーのファンの中ではかなりマニアックな人たちにしかわからない内容になっています。だからこそ、この話題は興味のない人にとっては非常につまらないものになっていしまう危険性があります。
しかし、
この記事の内容を読めば、2016年銀河系軍団レアルマドリードの戦術をかなり深く知ることができるはずです。
もちろん銀河系軍団レアルマドリードは非常に強いチームです。
レアルマドリードの個々の選手の能力は非常に高く、チームのタレント力だけなら世界でも3本の指に入るでしょう。それほど、この銀河系軍団のタレント力は群を抜いているのです。
ただ、個々の単純な総和ではないのがサッカーの難しいところで、戦術は1+1を3にも4にもすることができます。
しかし、銀河系軍団レアルマドリードの欠陥はこの戦術の部分にあったのです…
この記事では2016年の銀河系軍団レアルマドリードが取り組む3つの戦術について解説しましょう。
2016-2017シーズンが開幕。銀河系軍団レアルマドリードの戦術は?
2016-2017シーズンが開幕し、銀河系軍団はレアルマドリードは快調なペースで勝ち星を挙げ続けています。
2016年の夏は欧州選手権やリオオリンピックが開催された都合で、各国の代表選手が怪我やコンディション不良などでなかなかメンバーを揃えられないでいます。
いくら最高クラスのタレントが揃う銀河系軍団レアルマドリードといえど、選手がなかなか揃わない状況の中では勝利を挙げながらも苦しむ試合が散見され、戦術の重要性を再認識されています。
繰り返しになりますが、銀河系軍団レアルマドリードは2016年も最高級のタレントを揃えており、戦術の部分さえ確立してしまえば、かなり好きの陣容を作ることができるでしょう。
ただし、個々の能力があまりにも秀でているあまり、戦術が確立されないというのが、この銀河系軍団レアルマドリードの悩みでもあるのです。
それでは、2016-2017シーズン、銀河系軍団レアルマドリードはどのような戦術を採用しようとしているのでしょうか?
2016年銀河系軍団レアルマドリードが採用する3つの戦術①ポゼッションとカウンターの使い分け
ここ数年のレアルマドリードはいくつかの戦術的な変遷がありました。
モウリーニョのカウンターサッカー、アンチェロッティのポゼッションサッカー、そしてベニテスの守備的サッカーです。
現在は元フランス代表のジダンが監督を務めています。ジダンはまだ監督として1年も経験がなく、確固たる戦術を持っていないような印象がありますが、やはり最も1番近いのは、アンチェロッティのポゼッションサッカーです。
しかし、ジダンはそこにオリジナリティを加えています。

アンチェロッティは中盤の底(アンカー)のポジションに元スペイン代表シャビ・アロンソやドイツ代表トニ・クロースといった司令塔タイプを据えましたが、ジダンの場合は同じポジションにブラジル代表カゼミーロを起用しています。
カゼミーロはクロースのような展開力やパスセンスを備えていない代わりに、強靭な肉体を備えています。
カゼミーロ起用によって中盤の守備を安定させることに成功しています。アンチェロッティ時代のレアルマドリードは中盤に純粋な守備的MFがいなかったため、あっさり最終ラインまで侵攻されるシーンを多々見ることがありました。そこを改善するためのカゼミーロ起用だったのです。
だからといって、ジダンはポゼッションを放棄するのではなく、カウンターとポゼッションを使い分けるようにしています。
ポゼッションとカウンター。相反する戦術のキーマンは?
レアルマドリードの守備陣や中盤にはスペイン代表セルヒオ・ラモスやダニエル・カルバハル、ブラジル代表マルセロ、クロアチア代表ルカ・モドリッチとボール扱いに長けた選手が非常に多く、彼らの存在が安定したポゼッションを可能にしています。
一方で、前線には銀河系軍団レアルマドリードを象徴するBBCが存在します。
BBCとは、
カリム・ベンゼマ(フランス代表)
ガレス・ベイル(ウェールズ代表)
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)
の頭文字を取った3人のスーパーエースの略称です。
特にベイルとロナウドは前方に大きなスペースがある時、すなわちカウンターの時に最大の力を発揮します。共に爆発的な突破力とスピードを備えているからです。モウリーニョやベニテスはこのスピードを利用するためにカウンター戦術を採用していました。そしてベンゼマにはほとんどストライカーに近い二人のウイングを支える知性とテクニックを備えています。
2016-2017シーズンのレアルマドリードは格下にはポゼッション戦術、やや難易度が高い相手にはカウンター戦術を採用し、この2つの戦術を使い分けているのです。
2015-2016シーズンまではフィニッシュの局面でBBCに依存する傾向があり、BBCと中盤以下の戦術のすりあわせがどこまで改善されるかが今後のポイントと言われています。2016-2017シーズンは多くの選手が得点を挙げており、攻撃の幅の広さを証明しつつあるようです。
2016年銀河系軍団レアルマドリードが採用する3つの戦術②SBによるワイドアタック
これが2016-2017シーズンの銀河系軍団レアルマドリードの二つ目の軸となる戦術です。

SB(サイドバック)の二人、マルセロとカルバハルは非常に高い攻撃力を誇り、共に安定したパスワークでポゼッションに貢献することもできれば、攻めあがって正確なクロスをBBCに提供することができます。
銀河系軍団レアルマドリードの前線を牛耳るBBCのうち、ロナウドは右利きながら左サイドを、ベイルは左利きながら右サイドでのプレーを得意とします。
両者とも中央のゾーンに切れ込んでいく傾向が強く、特にロナウドは近年中央に常駐する時があるほどです。
そのため、タッチライン際をコーナーフラッグめがけてプレーするのは、ほとんど両サイドバックの仕事になっており、ロナウドとベイルが開けたスペースを使うことができています。
当然、彼らにボールを配球するのが、クロースやモドリッチの役目であり、この二人はスタートはBBCの背後に並列で並ぶのが基本ポジションですが、どちらかが最終ラインにボールを貰いにいくともう一方が前方のスペースにもぐりこむという約束ごとがなされています。また、最終ラインにはセルヒオ・ラモスもおり、最終ライン、3列目、2列目と「司令塔の三段構造」を作り出して、相手のプレッシャーをいなしやすくし、両サイドにボールを配球する戦術を取っています。
2016-2017シーズン開幕戦でワイドアタック戦術がいきなり炸裂!
この戦術がさっそくお目見えしたのが2016-2017シーズンのレアルソシエダとの開幕戦です。
前半2分に深い位置でボールを受けたセルヒオ・ラモスから対角のカルバハルに対してロングボールが入ると、これを受けたカルバハルが正確なクロスでベイルのレアルマドリードの開幕弾をアシストしています。
2016年銀河系軍団レアルマドリードが採用する3つの戦術③11人が連動したディフェンス
2016年銀河系軍団レアルマドリードの戦術の三つ目です。
2015ー2016シーズンの前半戦に銀河系軍団レアルマドリードの監督を務めたベニテスは細かい戦術的な制約と規律を求めていました。
当然ロナウドやベイルといった選手にもディフェンスするように指示を出し、選手達はあまりの制約の多さに辟易していました。守備に力を入れながらもあまり戦術的に高度に機能しておらず、あくまでラモスやペペ、ヴァラン、カゼミーロ、GKナバスといった選手達の個々の能力に依存していました。
2016年のジダン就任が契機に
2016年から銀河系軍団レアルマドリードの監督に就任したジダンは、選手達に自由を与え、対話を重視する一方で自主的な規律と責任の大切さを説きました。
するとロナウドやベイルも
「ジダンのために」
と、守備にも自主的に参加するようになりました。特にロナウドの場合は2015-2016シーズンのチャンピオンズリーグ決勝で見せた献身的なディフェンスは感動的でした。試合の終盤には足をつっていましたが、献身的な姿勢を示しています。
ロナウドは年齢がベイルは絶対的な守備力が不足しており、控えメンバーであるスペイン代表ルーカス・バスケスやマルコ・アセンシオといった、若く運動量に優れた選手達との併用がキーになります。
本日は2016年銀河系軍団レアルマドリードの戦術についてお伝えしました。
非常にマニアックな内容になってしましましたが…

そして下のリンクではクラブワールドカップに来日するレアルマドリードのメンバーが書かれています。日本で開催される最後の大会だけに大きな注目を集めるこの大会に銀河系軍団レアルマドリードはどのようなメンバーで戦うのでしょうか?この記事と合わせて読めば戦術、メンバー全てをしることができます。是非一度クリックしてこの記事を読んでください!
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